ポーランド出身の女流ヴァイオリニスト、ヴァンダ・ヴィウコミルスカが5月1日、89歳で亡くなった。早くからその最奥が期待され、著名な指揮者、オーケストラと共演を重ねた、戦後のヨーロッパを代表するヴァイオリニストの一人だった。
クシシュトフ・ペンデレツキら現代ポーランドの作曲家の作品の初演を数多く行い、母国の音楽を世界的に広めた功績でも知られる。1955年には再建されたワルシャワ・フィルハーモニー協会コンサートホールの落成式で演奏し、1973年には開場したばかりのシドニーのオペラハウスでヴァイオリニストとして初めてリサイタルを開き、1976年には、ロンドンのバービカン・センター音楽ホールの杮落とし公演にも出演している。
1982年、西欧での演奏旅行の後、ポーランドへの帰国の拒否して西ドイツに亡命、1983年にハイデルベルク・マンハイム高等音楽学校の学部長に就任した。その後は教育者として活躍し、1999年からはシドニー音楽院、2001年からはメルボルンのオーストラリア国立音楽アカデミーでも教鞭を執っていた他、世界各地のマスタークラスで指導を続け、コンクールの審査員を数多く務めていた。
写真:Jarosław Kubalski / Świętokrzyskich Dni Muzyki
訃報 〓 ヴァンダ・ヴィウコミルスカ(89)ポーランドのヴァイオリニスト
2018/05/03
【最終更新日】2023/02/06
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