フィレンツェ発 〓 演出家の故フランコ・ゼフィレッリの生誕100年、イタリアでは切手も

2023/02/16

演出家の故フランコ・ゼフィレッリ(Franco Zeffirelli)の生誕100年を記念する式典が誕生日の12日、彼の故郷フィレンツェで行われた。それに合わせ、イタリア郵政公社が彼の肖像を載せた切手を発行すると発表した。「イタリアの優れたエンターテイメント」というシリーズの一つで、発行枚数は約30万枚。

切手の価格は1.20ユーロで、左側に肖像画、右側には監督自身が描いたスケッチという構図。スケッチは1978年にミラノ・スカラ座のために制作した《カヴァレリア・ルスティカーナ》で、もう一つは1966年にニューヨークのメトロポリタン歌劇場のために制作した《アントニオとクレオパトラ》。また、右上には監督のシンボルでもあるカチンコがデザインされている。

ゼフィレッリは2019年6月16日、96歳でローマの自宅で亡くなった。巨匠ルキノ・ビスコンティの下で舞台美術や演出の世界に入り、1968年の『ロミオとジュリエット』で名声を確立。その後も、1972年の『ブラザー・サン シスター・ムーン』、1979年の『チャンプ』、1998年の『ムッソリーニとお茶を』、2002年の『永遠のマリア・カラス』といった話題作を撮り続けた。

一方、世界的な劇場や音楽祭で、オペラの演出を数多く手がけており、メトロポリタン歌劇場の《トゥーランドット》やスカラ座の《アイーダ》といった名舞台でも知られる。1998年には新国立劇場で、開場記念公演の《アイーダ》も手掛けた。1994年にはベルルスコーニ元首相が率いた中道右派政党から出馬、上院議員も務めている。

写真:Poste Italiane


関連記事

  1. ボストン発 〓 指揮者のアンドリス・ネルソンスが「テコンドー」の黒帯を取得

  2. ラハティ発 〓 指揮者のオスモ・ヴァンスカが骨折事故を乗り越え、車椅子で現場復帰へ

  3. ベルリン発 〓 第2回「オーパス・クラシック賞」決まる

  4. ワシントン発 〓 ワシントン・ナショナル・オペラの音楽監督にロバート・スパーノ

  5. ロンドン発 〓 ヴィットリオ・グリゴーロ降板の裏にセクハラ

  6. モンペリエ発 〓 暴力事件で謹慎していたガーディナーがフランス放送フィルを指揮して現場復帰

  7. 訃報 〓 ジュゼッペ・ジャコミーニ(80)イタリアのテノール歌手

  8. 輪島発 〓 五嶋みどりと藤田真央が11月に能登の被災地で無料コンサート

  9. ラハティ発 〓 市が指揮者のダリア・スタセヴスカとの契約を延長

  10. ロンドン発 〓 英国の劇場やホールも閉鎖、公演もすべてキャンセル

  11. ミュンヘン発 〓 テノール歌手のダニエル・プロハスカにバイエルン州から「宮廷歌手」の称号

  12. 訃報 〓 ウンベルト・ボルソ(95)イタリアのテノール歌手

  13. ウィーン発 〓 ソニーが「ニューイヤー・コンサート」2020のネット配信を開始

  14. シオン発 〓 スイスの「ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクール」で韓国の14歳、キム・ソヒョンが最年少優勝

  15. ベルリン発 〓 ベルリン・シュターツカペレが11月のヨーロッパ・ツアーを中止

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。