映画監督、オペラ演出家として世界的な活躍を続けたフランコ・ゼフィレッリ(Franco Zeffirelli)が15日、ローマにある自宅で亡くなった。96歳だった。2020年にはオマーンの首都マスカットにある王立オペラ(Royal Opera House Muscat)で、ヴェルディ《リゴレット》の演出を手掛けることが決まっていた。
ゼフィレッリは1923年、イタリア中部フィレンツェの生まれ。仕立て屋の息子としてフィレンツェの英国上流階級の人々のコミュニティで育ち、ルキノ・ヴィスコンティのスタッフとして演劇界に入った。映画の代表作に1968年の映画「ロミオとジュリエット」、半自伝的作品とされる1999年の「ムッソリーニとお茶を」があり、2002年には最後の作品「永遠のマリア・カラス」を制作している。
オペラの演出でも知られ、豪華絢爛で、ステージに多くの人間を登場させて「マス」として動きを作り出すダイナミックな舞台で世界的な歌劇場を席巻。日本でも新国立劇場の1998年の開場記念公演《アイーダ》も手掛けた。メトロポリタン歌劇場の《トゥーランドット》、ミラノ・スカラ座の《アイーダ》など、名作の上演はいまでも各地で続いている。
また、1994年にはベルルスコーニ元首相の率いる中道右派政党から出馬して上院議員も務めた。プライベートでは、ゲイであることを公にしており、2016年には、イタリアの歴史家による研究チームが発表した「レオナルド・ダ・ヴィンチの存命する血縁者」の中の約35人の中の一人であると報じられた。
写真:Fainello / Fondazione Arena di Verona
訃報 〓 ゼフランコ・ゼフィレッリ(96)イタリアの映画監督、演出家
2019/06/16
【最終更新日】2023/02/16
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