訃報 〓 世界的なバス=バリトン、テオ・アダム

2019/01/12

世界的なバス=バリトン歌手テオ・アダム(Theo Adam)が10日、ドレスデンで亡くなった。92歳だった。アダムは1926年、ドレスデンの生まれ。少年時代の1937年から地元の聖十字架教会合唱団に所属。その後、「宮廷歌手」のルドルフ・ディートリッヒに声楽を師事。1949年に旧東独時代のドレスデン国立歌劇場のメンバーとなり、ウェーバー《魔弾の射手》の隠者役を歌ってオペラ・デビューした。

1952年、世界大戦後再開の2年目のバイロイト音楽祭に《ニュルンベルグのマイスタージンガー》オルテル役を歌ってデビュー。音楽祭では《ローエングリン》のハインリヒ王、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》のザックス、《パルジファル》のアムフィオルタスなどの役を歌ったが、中でも《ニーベルングの指環》のヴォータン役は高い評価を獲得、バイロイトでは12年にわたって歌い続けた。

1953年にベルリン国立歌劇場のメンバーに。翌年にはフランクフルト歌劇場と客演契約を結び、国際的な活躍が始まる。1955年に「宮廷歌手」の称号を受章。1967年以降、ウィーン国立歌劇場、ハンブルク国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場など世界の主要歌劇場に出演を重ねた。1969年にはザルツブルグ音楽祭にデビュー、1999年までに出演し、現代物の初演などにも出演している。同年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場にもデビューした。

80歳を迎えた2006年10月30日、オペラ・デビューの場だった旧ドレスデン国立歌劇場(現在のザクセン州立歌劇場)で上演された《魔弾の射手》に出演して現役を引退した。生涯に歌った役柄は100を超えるという。1967年、バイロイト音楽祭の引越公演の一員として初来日。《ワルキューレ》のヴォータンを歌って絶賛を浴びた。以降、オペラ、リサイタルで来日を重ねた。

写真:Bayreuther Festspiele / Hansjoachim Mirschel


関連記事

  1. セイジ・オザワ松本フェスティバル 〓 2018年のプログラムを発表

  2. ハレ発 〓 ドイツ映画音楽賞の国際賞にレイチェル・ポートマン

  3. シカゴ発 〓 サンフランシスコ響の楽団員、シカゴ響の楽団員のストを支援

  4. 浜松発 〓 若手演奏家のためのピアノ・アカデミー再スタートへ

  5. ブレゲンツ音楽祭 〓 2021年、2022年はホモキ演出の《蝶々夫人》

  6. サバンナ発 〓 原田慶太楼が米国サバンナ・フィルハーモニックの音楽・芸術監督に

  7. バーデン=バーデン音楽祭 〓 ネトレプコ、エイヴァゾフ夫妻が《アドリアーナ・ルクヴルール》を降板

  8. ロサンゼルス発 〓 ギレンホール主演でバーンスタインの生涯を映画化

  9. 東京発 〓 カラスのドキュメンタリー作品「私は、マリア・カラス」12月から日本で公開

  10. ナンシー発 〓 ロレーヌ国立オペラが2018/2019シーズンのラインナップを発表

  11. トリノ発 〓 RAI国立交響楽団の開幕コンサートをライブ放送

  12. 訃報 〓 イタリアのテノール歌手、ウンベルト・ボルソ

  13. ストックホルム発 〓 ヴァイオリンのアンネ=ゾフィー・ムターに「ポーラー音楽賞」

  14. ベルリン発 〓 州立歌劇場が新しい音楽祭

  15. ローマ発 〓 アルゲリッチにイタリア共和国功労勲章

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。