毎年6月にワーグナー作品を上演してきたハンガリーの音楽祭「ブダペスト・ワーグナー・デイズ=Budapesti Wagner-napok」がここにきて公演の大幅縮小を発表、波紋を広げている。政府からの補助金が突然大幅にカットされたのが原因。芸術監督を務めるアダム・フィッシャーは動画をSNSにUP、目に涙を浮かべて謝罪している。
音楽祭は2006年の創設で、国営の「芸術宮殿=Müpa」が主催している。例年、フィッシャー指揮のハンガリー放送交響楽団による《ニーベルングの指環》のチクルス上演を核に、別の1作品を上演し、さらにもう1作品がコンサート形式で上演され、大物歌手のリサイタルも行われている。
2023年は《ニーベルングの指環》のチクルスの他、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の上演、コンサート形式による《パルジファル》、ボー・スコーフスのリサイタルというメニュー。ところが、ここにきて、15日から18日のチクルス上演以外はすべてキャンセルされた。
フィッシャーは動画の中で「芸術宮殿」が国営の機関で、キャンセルは国の命令であることを説明。「私は《ニーベルングの指環》を指揮することができますが、他のイベントは残念ながらキャンセルせざるを得ません。私の同僚たち、親愛なる聴衆の皆さん、そして長年、特に海外から足を運んでくださったすべての方々に対して、私は限りなく申し訳なく思っています」。
写真:Budapesti Wagner-napok
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ブダペスト発 〓 音楽祭「ワーグナー・デイズ」が政府の突然の補助金カットで2023年の公演を大幅縮小
2023/02/16
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