ザルツブルク発 〓 ベルリン・フィルがザルツブルク復活祭音楽祭のレジデント・オーケストラに復帰

2023/01/10

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)がオーストリア・ザルツブルクの復活祭音楽祭のレジデント・オーケストラに復帰することが明らかになった。オーケストラは2013年から出演先を変え、ドイツのバーデン=バーデンの復活祭音楽祭のレジデンツ・オーケストラを務めており、路線の大転換。バーデン=バーデンにも今後、定期的な客演は続けるという。

発表によると、復帰するのは2026年。ザルツブルクの復活祭音楽祭は1967年、スター指揮者でオーケストラの音楽監督を務めていたヘルベルト・フォン・カラヤンが創設。ベルリン・フィルが年に一度、オペラ上演に取り組む場として知られてきた。

しかし、ベルリン・フィルが2013年から復活祭時期はバーデン=バーデンに出演する路線に大転換。これを受け、ザルツブルクの方は2013年からクリスティアン・ティーレマン率いるドレスデン・シュターツカペレ(=ザクセン州立歌劇場管弦楽団)を新たにレジデンス・オーケストラに招くことで、新たなスタイルを確立してきた。

ところが、2020年に音楽祭の芸術監督に就任したニコラウス・バッハラーが2023年の音楽祭からはレジデンス・オーケストラを置かない方針を発表。2023年はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と首席指揮者アンドリス・ネルソンスのコンビを招いている。

バッハラーはミュンヘンのバイエルン州立オペラの総監督を務め、ベルリン・フィルの音楽監督を務めるキリル・ペトレンコは当時の音楽監督という昵懇の関係。今回の決定に当たり、「この特別な音楽祭に、創設時のオーケストラを再び結びつけることができたことを非常にうれしく思っています」と語っている。

一方、バーデン・バーデン側は「ベルリン・フィルが我々と一緒にバーデンバーデンの復活祭を築き上げ、2025年までに12回、新しいオペラ作品や多くのコンサートと組み合わせてくれたことに大変感謝している」と述べ、今後も定期的な客演が続くことを明らかにした。

写真:Bayerische Staatsoper / Wilfried Hösl


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