イスラエルのヴァイオリニスト、イヴリー・ギトリス(Ivry Gitlis)が24日、パリの自宅で亡くなった。98歳だった。イヴリーはヘブライ語でヘブライを意味する。大胆に表情を付ける個性の強い演奏、独特の音色、そして無頼なキャラクターでならし、現役最長老として最近まで活動を続けていた。
1922年にイスラエル・ハイファで生まれ、両親はロシア系ユダヤ人。7歳でブロニスラフ・フーベルマンに見出されてフランスに渡り、12歳でパリ音楽院を首席で卒業した。その後、ジョルジュ・エネスコ、ジャック・ティボー、カール・フレッシュらの下で研鑚を積んだ。デビュー後の1951年、ロン=ティボー国際音楽コンクールに入賞。その後、世界各地で演奏を繰り広げ、レコーディングにも旺盛に取り組んだ。
また、社会活動にも積極的に関わり、ユネスコ親善大使も務めている。2011年の東日本大震災の時にも震災直後に来日して、仙台や石巻で慰問演奏を行っており、外務省から感謝状が贈られている。日本ではたびたび別府アルゲリッチ音楽祭に客演していた。使用楽器は1713年製ストラディヴァリウス‘Sancy’。
写真:www.facebook.com/GitlisIvry/
この記事へのコメントはありません。