ライプツィヒ・バッハ音楽祭 〓 ライプツィヒ・バッハ音楽祭の「バッハ・メダル」、2021年は初めて二人の音楽学者に

2021/01/12
【最終更新日】2022/04/29

ライプツィヒ・バッハ音楽祭が、2021年の「バッハ・メダル」はバッハ研究を功績を上げた学者二人に贈られると発表した。メダルは2003年の創設。作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)の研究、演奏で功績を上げた人物に対して、音楽祭の一環としてライプツィヒ市から授与されている。音楽家ではなく、学者が授賞するのは初めて。

授賞するのは、ハンス・ヨアヒム・シュルツェ (Hans-Joachim Schulze)、クリストフ・ヴォルフ(Christoph Wolff)という歴代のバッハ・アルヒーフ・ライプツィヒの所長を務めた二人。シュルツェは1934年、ライプチヒ生まれの86歳。ヴォルフは1940年、ゾーリンゲン生まれの80歳。二人は1975年から2005年にかけて、バッハ年鑑の刊行を共同で手掛けた。授賞式は6月17日、音楽祭期間中に授与される。

シュルツェはライプツィヒ音楽院、ライプツィヒ大学で音楽学などを学び、バッハの1750年から1800年の記録を追った1973年の論文でハンス・アイスラー賞を受賞。その後、1974年から1979年にかけてバッハ・アルヒーフ・ライプツィヒの所長を務め、1975年からバッハ年鑑の刊行を担当。1992年からは再び所長を務め、1993年にはライプツィヒ音楽・劇場大学の名誉教授。2006年にはバッハのすべてのカンタータを紹介した著作を発表している。

一方、ヴォルフはベルリン、エルラーゲン、フライブルクの大学で、オルガン、歴史的鍵盤楽器、音楽学、美術史を学んで、トロント、プリンストン、コロンビアの大学で音楽史を教えた後、1976年にハーバード大学の音楽学教授となり、その後、音楽学部長、芸術・科学大学院学長を歴任した。2001年から2014年にかけ、シュルツェの後を受け、バッハ・アルヒーフ・ライプツィヒの所長を務めた。

写真:Bach-Archiv Leipzig / Jürgen Kunstmann


    音楽祭情報はこちら ▷


関連記事

  1. シュトゥットガルト発 〓 州立バレエが音楽監督を解任

  2. ケルン発 〓 WDR響が首席指揮者のクリスティアン・マチェラルとの契約を延長

  3. ベルリン発 〓 指揮者界の最長老ブロムシュテットが転倒、入院

  4. ライプツィヒ発 〓 ゲヴァントハウス管が夏の音楽祭

  5. ドレスデン発 〓 ドレスデン音楽祭も開催断念を発表

  6. バイロイト発 〓 バイロイト音楽祭が2026年の構想を発表、コスト上昇で規模を大幅に縮小

  7. ルイス発 〓 グラインドボーン音楽祭が来年2025年の公演ラインナップを発表

  8. ベルリン発 〓 ドイツの音楽家6人が音楽家への支援を訴える書簡を文化大臣に、新型コロナウイルス禍で

  9. ミュンヘン発 〓 クリスティアン・ティーレマンがバイエルン放送交響楽団にデビュー

  10. ナント発 〓 「ラ・フォル・ジュルネ」の閉幕コンサートで指揮者倒れ、緊急搬送される

  11. ベルリン発 〓 ウクライナのオデッサ・フィルがベルリン音楽祭に出演

  12. リガ発 〓 リガ・ユールマラ音楽祭が中止を発表。ロシアのウクライナ武力侵攻、ゲルギエフ絡みで

  13. ルートヴィヒスハーフェン発 〓 ラインラント=プファルツ州立フィルが次期首席指揮者にマイケル・フランシス

  14. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラの新制作《ピーター・グライムズ》、新型コロナで初日を3月6日に延期

  15. コブレンツ発 〓 指揮者ギャリー・ウォーカーが今シーズン限りでライン州立フィルハーモニー管の首席指揮者を退任

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。