ロシアのモスクワ国立交響楽団が25日、指揮者のパヴェル・コーガン(Pavel Kogan)の芸術監督と首席指揮者辞任を発表した。オーケストラは退団の理由を「マエストロの個人的な決断」としているが、ロシアのウクライナ侵略が背景にあるとみられ、本人は3月初旬にロシアを出国しているという。コーガンは1989年から33年間その任にあった。
1952年、モスクワ生まれの70歳。父親はウクライナ・ドニプロペトロウスク出身の名ヴァイオリニスト、レオニード・コーガンで、名ピアニストのエミール・ギレリスの妹を母に持つ。母方もオデッサ出身で、父方、母方ともにユダヤ系ウクライナ人。
長じてモスクワ音楽院に進み、ヴァイオリンをユーリ・ヤンケレヴィチに師事。1970年のシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールでは、リアナ・イサカゼと1位を分け合っている。その後、イリヤ・ムーシンとレオ・ギンズブルクに指揮法を学び、1972年にソビエト国立交響楽団で指揮者デビューした。
ヴェロニカ・デュダーロワの後を引き継いでから、モスクワ国立交響楽団とは世界55カ国以上にツアーを行い、マーラー交響曲全曲演奏でロシア国家賞を授与されている。1988年から1990年までクロアチアのザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、1998年から2005年にかけて米国のユタ交響楽団の首席客演指揮者も兼任していた。
写真:Moscow State Philharmonic Society
モスクワ発 〓 パヴェル・コーガンがモスクワ国立響の芸術監督と首席指揮者を辞任、ウクライナ侵略受けて
2022/04/27
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