モンテカルロ発 〓 モンテカルロ歌劇場が《マノン・レスコー》の公演で、マリア・アグレスタの代役にアンナ・ネトレプコを起用

2022/04/14
【最終更新日】2022/04/24

モンテカルロ歌劇場(Opéra de Monte Carlo)が4月22日から30日にかけて行うプッチーニ《マノン・レスコー》の公演で、体調不良で降板するマリア・アグレスタの代役にアンナ・ネトレプコを起用すると発表した。公演はピンカス・スタインバーグの指揮。夫君のユシフ・エイヴァゾフの他、クラウディオ・スグーラらが出演する。

ネトレプコがオペラの舞台に立つのは、2月22日にナポリのサン・カルロ劇場でヴェルディ《アイーダ》に出演して以来。その後、ロシアのウクライナ侵略が始まり、2014年のクリミア半島侵略を支持した過去やプーチン大統領との距離などをめぐって取り沙汰され、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場、バルセロナのリセウ大劇場、チューリッヒ歌劇場、ベルリン州立歌劇場、ミュンヘンのバイエルン州立歌劇場などが次々に降板を決めた。

これを受けてネトレプコは3月30日、Facebookへの投稿を通じて3度目の声明を出し、ウクライナ侵略によって生じた戦争を非難、また、大統領との関係についても否定した。すると翌31日、ロシアのノボシビルスク国立オペラ・バレエ劇場が翌31日、6月2日に予定されていたコンサートを中止する“報復”を発表した。

また、劇場は声明で「昨日、アーティストが我が国の行動を非難する声明を発表した。ヨーロッパに住むこと、ヨーロッパの会場で演奏する機会が、彼女にとって祖国の運命よりも重要であることが判明した」と厳しく非難。さらに4月1日には下院議長が「裏切り以外の何ものでもない」と批判するなど、ロシアでの出演が難しくなったとみられていた。

しかし、4月に入って古巣のサンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場が5月から7月にかけて行う「白夜の星音楽祭」に出演することが判明。劇場の総裁を務め、プーチン大統領と近く、ウクライナ侵略についてはいまだに沈黙を守っている指揮者のワレリー・ゲルギエフとの関係が続いていることも明らかになっている。

西ヨーロッパや米国ではゲルギエフ、ひいてはプーチン大統領との関係に変わりはないという冷ややかな見方が広がっているが、一方でイタリアは独自路線。ヴェローナ音楽祭が《アイーダ》と《トゥーランドット》の出演を公表。続いてミラノ・スカラ座が5月にリサイタルを行うことを発表、券売が始まっている。

写真:Anna Netrebko

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