ウィーン発 〓 グルベローヴァの遺品がオンライン・オークションに

2022/09/03
【最終更新日】2022/09/07

昨年亡くなった世界的なソプラノ歌手、エディタ・グルベローヴァ(Edita Gruberová)の遺品がオークションにかけられることになった。ウィーンを拠点とする「ドロテウム」が開催するオークションに出品され、現地時間の9月7日からオンラインで行われる。

オークションに出品されるのは、楽譜や写真、サイン、絵画の他、数々の舞台衣装や公演の時だけ身に着けていた珍しいネックレスといった服飾品など遺品のほとんどが出品されるという。

グルベローヴァは楽譜や絵画の熱心なコレクターで、得意としたリヒャルト・シュトラウスゆかりの楽譜、また、絵画では自身がモデルを務めたこともあるウィーン幻想的リアリズム派の創始者の画家エルンスト・フックスの作品が含まれるという。

グルベローヴァは1946年、かつてのチェコスロバキア(現在はスロバキア)のブラチスラヴァ生まれ。地元の音楽院で学んだ後、プラハ、ウィーンで声楽を学び、1968年にブラチスラヴァ歌劇場でオペラ・デビュー。1970年にはウィーン国立歌劇場と契約を結んで国際舞台での活躍をスタートさせた。

その後、圧倒的な美声と驚異的な技巧を兼備したコロラトゥーラ・ソプラノとして、当代を代表する歌手の一人として活躍を続けた。特にイタリアのベルカント・オペラを得意とし、「ベルカントの女王」とも呼ばれた。昨年10月18日、スイス・チューリッヒの自宅で転倒事故により74歳で亡くなったが、直前まで活動を続けており、ほぼ生涯現役だった。

写真:ORF / Ali Schafler


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. 訃報 〓 ロザンナ・カンテリ(89)イタリアのソプラノ歌手

  2. ベルリン発 〓 復帰したブロムシュテットがベルリン・フィルの指揮台に。コンサートはストリーミング配信へ

  3. エバンストン発 〓 2019年の「ゲオルグ・ショルティ指揮者アワード」はヤニブ・ディヌールに

  4. ベルリン発 〓 バレンボイムがベルリン州立オペラの音楽監督を退任

  5. ハンブルク発 〓 ハンナ・チャンがハンブルク響の首席客演指揮者に

  6. シュトゥットガルト発 〓 シュトゥットガルト州立劇場が新制作の《ラインの黄金》をライブ・ストリーミング

  7. ボストン発 〓 空席が続いていたボストン響のコンサートマスターにネイサン・コール

  8. 訃報 〓 レナーテ・ホルム(90)オーストリアのソプラノ歌手

  9. 訃報 〓 ゲオルク・クリストフ・ビラー(66)ライプツィヒ聖トーマス教会第16代カントル

  10. ストックホルム発 〓 スウェーデン王立オペラが演奏会形式の《トスカ》を収録、ストリーミング

  11. ジュネーブ発 〓 ジュネーブ大劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  12. タリン発 〓 エストニア国立響の次期音楽監督にオラリー・エルツ

  13. ブエノスアイレス発 〓 南米も公演キャンセル広がる、新型コロナウイルスの感染拡大で

  14. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・オペラが届かない舞台装置を急きょ自作、2021/2022シーズンは予定通りの開幕

  15. グラフェネック発 〓 ルドルフ・ブッフビンダーが音楽祭の芸術監督をさらに2年

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。