昨年亡くなった世界的なソプラノ歌手、エディタ・グルベローヴァ(Edita Gruberová)の遺品がオークションにかけられることになった。ウィーンを拠点とする「ドロテウム」が開催するオークションに出品され、現地時間の9月7日からオンラインで行われる。
オークションに出品されるのは、楽譜や写真、サイン、絵画の他、数々の舞台衣装や公演の時だけ身に着けていた珍しいネックレスといった服飾品など遺品のほとんどが出品されるという。
グルベローヴァは楽譜や絵画の熱心なコレクターで、得意としたリヒャルト・シュトラウスゆかりの楽譜、また、絵画では自身がモデルを務めたこともあるウィーン幻想的リアリズム派の創始者の画家エルンスト・フックスの作品が含まれるという。
グルベローヴァは1946年、かつてのチェコスロバキア(現在はスロバキア)のブラチスラヴァ生まれ。地元の音楽院で学んだ後、プラハ、ウィーンで声楽を学び、1968年にブラチスラヴァ歌劇場でオペラ・デビュー。1970年にはウィーン国立歌劇場と契約を結んで国際舞台での活躍をスタートさせた。
その後、圧倒的な美声と驚異的な技巧を兼備したコロラトゥーラ・ソプラノとして、当代を代表する歌手の一人として活躍を続けた。特にイタリアのベルカント・オペラを得意とし、「ベルカントの女王」とも呼ばれた。昨年10月18日、スイス・チューリッヒの自宅で転倒事故により74歳で亡くなったが、直前まで活動を続けており、ほぼ生涯現役だった。
写真:ORF / Ali Schafler
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ウィーン発 〓 グルベローヴァの遺品がオンライン・オークションに
2022/09/03
【最終更新日】2022/09/07
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