訃報 〓 マルティン・トゥルノフスキー, チェコ出身の指揮者

2021/05/21

チェコ出身の指揮者マルティン・トゥルノフスキー(Martin Turnovsky)が5月19日、ウィーンの自宅で亡くなった。92歳だった。チェコの戦後世代で属望を嘱望された指揮者の一人だったが、1968年の「プラハの春」事件を期にオーストリアに亡命、ウィーンを拠点に国際的に活躍した。

プラハの生まれで、プラハ音楽院でカレル・アンチェルに師事。卒業と同時にプラハ交響楽団を指揮してデビューした。1956年にザルツブルグでジョージ・セルから指揮の指導を受け、1958年に若手指揮者の登竜門として知られるフランスのブザンソン国際指揮者コンクールで優勝、その後、ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に迎えられた。

1963年、ピルゼン放送交響楽団の首席指揮者に就任。チェコ・フィルハーモニー管弦楽団などに客演を続けて名声を確立。1966年には30代の若さで東ドイツのドレスデン国立歌劇場の音楽総監督に抜擢されたが、1968年にチェコ・スロヴァキアの民主化を阻止するため旧ソ連軍とワルシャワ条約機構軍がチェコ領内に進攻した「プラハの春」事件でオーストリアに亡命した。

その後、1975年からノルウェー国立オペラの音楽監督(-1980)、1979年からはドイツのボン市立歌劇場の音楽総監督(-1983)を歴任。1989年に母国チェコが民主化されると、旧東欧圏の主要歌劇場やオーケストラへの客演が再開され、1992年にはプラハ交響楽団の首席指揮者に迎えられた他、世界各地のオーケストラに客演を続けた。

日本では1970年代後半以後、東京都交響楽団、京都市交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団などに客演。1995年に初めて客演した群馬交響楽団では、1998年から首席客演指揮者を務め、2017年からは名誉指揮者を務めていた。

写真:bach-cantatas.com


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