シカゴ発 〓 トップ・オーケストラの首席奏者として在任最長記録を持つシカゴ響のジェイ・フリードマンが退団

2024/08/07

85歳でシカゴ交響楽団(Chicago Symphony Orchestra)の首席トロンボーンを務めるジェイ・フリードマン(Jay Friedman)が2025年9月で退団することが明らかになった。世界のトップ・オーケストラで最も長く首席奏者を務めており、1964年に第7代音楽監督ジャン・マルティノンによって首席奏者に任命されてから在任60年を超える。

フリードマンはイェール大学で学んだ後、ルーズベルト大学で作曲を専攻。その後、シカゴ市民管弦楽団に4年間、フロリダ交響楽団に2年間在籍し、シカゴ響には第6代音楽監督フリッツ・ライナーの下でアシスタント首席トロンボーン奏者として入団した。1969年にはブロッホの「トロンボーンと管弦楽のための交響曲」でソリストを務めた。

その後、第8代ゲオルク・ショルティ時代には、1976年にポール・クレストンのトロンボーンと管弦楽のための幻想曲でソリストを務め、1991年にはフリードマンのために書かれたエレン・ターフィ・ツヴィリヒのトロンボーン協奏曲を世界初演。第10代リッカルド・ムーティ時代には、2018年にジェニファー・ヒグドンの《低音金管協奏曲》の世界初演をリードした。

また、1990年代から指揮者としても活動、1995年にオークパーク&リバーフォレスト交響楽団の音楽監督に就任。2010年にはシカゴ響とマーラーの交響曲第8番を指揮している。シカゴ響の他、イタリアのRAI国立交響楽団やローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団、スウェーデンのマルメ交響楽団などを指揮してきた。

写真:jayfriedman.net


関連記事

  1. バンプトン・クラシカル・オペラ 〓 2021年はグルックの《ラ・コロナ》と《パリスとヘレネー》を上演

  2. バルセロナ発 〓 リセウ大劇場が新シーズンから有料のデジタル・プラットフォームを起ち上げ

  3. ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラの芸術監督にアンニリース・ミスキモン

  4. 東京発 〓 東京都交響楽団が音楽監督の大野和士との契約を延長

  5. シオン発 〓 ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクールが閉幕

  6. ワルシャワ発 〓 第19回「ショパン国際ピアノ・コンクール」の一次予選が終了、40名が二次予選に。日本人ピアニストは5名が進出

  7. ベルリン発 〓 州立歌劇場が5月1日までの公演をキャンセル、音楽祭「フェストターゲ」も中止

  8. パリ発 〓 終わらない国立オペラのストライキ、新制作の《マノン》の上演も断念

  9. 訃報 〓 ニコラ・ジョエル(67)フランスの演出家、パリ国立オペラ元総裁

  10. 訃報 〓 ジョーゼフ・カリクシュタイン(75)イスラエルのピアニスト

  11. ストックホルム発 〓 アラン・ギルバートがスウェーデン王立歌劇場の音楽監督に

  12. リヨン発 〓 ニコライ・シェプス=ズナイダーが音楽監督を務めるリヨン国立管との契約を延長

  13. ストックホルム発 〓 ピアノのイゴール・レヴィットがノーベル賞の授賞式で演奏

  14. 東京発 〓 新国立劇場がストリーミング配信のための新しいプラットフォーム開設

  15. ニューヨーク発 〓 ポリーニが心臓病の療養で全米ツアーを中止、藤田真央が代役でカーネギー・ホールにデビュー

    • フリードマン好き

    この時が来たのですね。CSO来日予定はなさそうなので、シカゴに行くしかありませんね。

  1. この記事へのトラックバックはありません。