モントリオール交響楽団(Montreal Symphony Orchestra)がロシアのピアニスト、アレクサンダー・マロフィーエフ(Alexander Malofeev)の3月の3回の出演がキャンセルされると発表した。ロシアのウクライナ侵略を受けての判断。世界最大のウクライナ・コミュニティーからの圧力に加え、楽団員からの反発もあるという。
出演する予定だったのは、3月9日、10日、13日の3回のコンサート。マイケル・ティルソン・トーマスの指揮で、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を演奏することになっていた。マロフィーエフにとってはモントリオール・デビューの場となるはずだった。
しかし、約200万人といわれる世界最大のウクライナ・コミュニティーからの圧力に加え、一部の楽団員が共演を拒否したことから、オーケストラは「今週演奏させるのは不適切」としてキャンセルを発表した。
マロフィーエフはウクライナ東部ドネツク近郊生まれの20歳。「真実は、私たちの誰もが予測することができなかった恐ろしくて血なまぐさい決定のために、すべてのロシア人が何十年も罪悪感を感じるだろうということです」とフェイスブックに投稿、ロシアの侵略を批判しているが、バンクーバーのコンサートもキャンセルされたという。
ただ、オーケストラの声明では加えて「しかし、私たちは平和と希望のメッセージを受け入れるすべての国籍の芸術家との関係を維持することの重要性を信じ続けています。状況が許せば、この並外れたアーティストを迎えることを楽しみにしています」と述べている。
写真:Orchestre symphonique de Montréal
モントリオール発 〓 モントリオール響がロシアの若手ピアニストの出演をキャンセル、ウクライナ・コミュニティーと楽団員の反発で
2022/03/11
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