モスクワ発 〓 ロシアのヴォロージン下院議長がウクライナ侵略の停止をプーチン大統領に求めた文化人たちを批判

2022/03/04
【最終更新日】2022/04/12

ロシアのヴャチェスラフ・ヴォロージン(Vyacheslav Volodin)下院議長が3日、「Россия24=ロシア24」のインタビューに答え、「特別な軍事平和維持活動中に国家に害を及ぼす誤った情報を配布する人は誰でも、責任が非常に深刻になることを理解する必要がある」と述べ、ロシア国内でウクライナ侵略の停止をプーチン大統領に求めた文化人たちを批判した。

2月24日から始まったロシアのウクライナ侵略戦争については26日、ボリショイ劇場のウラジーミル・ウリン総支配人らモスクワの芸術家17人が連名で、大統領に対して「ウクライナでの特殊作戦の停止を求める」請願書を提出。ヴォロディン議長の発言はその動きを牽制、誓願に加わった人たちへの今後の報復を示唆したものと受け取られている。

インタビューではまた、ウクライナ侵略の正統性を強調。請願書に署名した17人に対して「誰もあなたを必要としません。彼らは(税金で運営される組織に属しながら)祖国を危うい立場に追いやるようなことを行っている。私は国民や祖国を裏切った人々を軽蔑する」と述べた。

一方で、プーチン大統領と距離を置くように求められながらそれに応えなかったことで、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を解職されるなど、国外のすべてのポジションから追われた指揮者のワレリー・ゲルギエフについては、彼の行為は市民の責任、祖国に対して当然の行いと称賛。「彼は後悔していない」と述べている。

写真:YouTube / Россия24


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