バイロイト音楽祭 〓 2023年の新制作はバーチャル・リアリティーによる《パルジファル》

2021/07/26

作曲家ワーグナーが創設、彼の作品を上演しているドイツのバイロイト音楽祭(Bayreuth Festival)が7月25日、新制作の《さまよえるオランダ人》の上演で開幕した。《オランダ人》の指揮はオクサーナ・リーニフで、女性指揮者が登場するのは音楽祭初。

今年のオペラ上演は《オランダ人》以外に《タンホイザー》と《ニュルンベルクのマイスタージンガー》、《ワルキューレ》の再演。これにコンサート形式で上演されるクリスティアン・ティーレマン指揮の《パルジファル》、アンドリス・ネルソンス指揮のコンサートなどが加わる。

開幕前日、29日から上演が始まる《ワルキューレ》でヴォータンを歌うはずだったギュンター・グロイスベックがキャンセルが発表された。コロナ禍で公演のキャンセルが続いて十分な準備ができなかったとしているが、《タンホイザー》や《ニュルンベルクのマイスタージンガー》などには出演する。代役はトマス・コニエチュニー。

音楽祭は2022年から新制作の《ニーベルングの指環》の上演が始まる。また、2023年は《パルジファル》の新制作が行われることも発表された。パルジファルにジョセフ・カレヤ、エカテリーナ・セメンチュクがクンドリーを歌う。

これが実験的なもの。マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授でバーチャル・リアリティの専門家であるジェイ・シャイブを起用、聴衆は3D眼鏡を着けて舞台を鑑賞するスタイルになるという。

写真:Bayreuther Festspiele / Enrico Nawrath


    音楽祭情報はこちら ▷


関連記事

  1. グラーツ発 〓 サンクト=マルガレーテンの野外オペラが開催を断念

  2. グラインドボーン音楽祭 〓 2021年の音楽祭は予定通りの開催めざす

  3. ラヴェンナ発 〓 ラヴェンナ芸術祭が2024年の公演ラインナップを発表

  4. フランクフルト発 〓 ドイツの歌劇場再開は6月以降

  5. ベルリン発 〓 コンツェルトハウスで第3回「オーパス・クラシック」の授賞式

  6. ルツェルン発 〓 ルツェルン音楽祭が2025年夏の公演ラインナップを発表、ラトルが祝祭管振って音楽祭にデビュー

  7. ヴェローナ発 〓 アレーナ・ディ・ヴェローナが2024年の公演ラインナップを発表

  8. ザルツブルク発 〓 復活祭音楽祭の開催を断念、新型コロナウイルスの感染拡大で

  9. ミュンヘン発 〓 サイモン・ラトル率いるバイエルン放送響が11月に日本ツアー

  10. ボン発 〓 若手指揮者のヨエル・ガムゾウが活動の半分を新作初演に当てる新しいオーケストラを創設

  11. ハンブルク発 〓 ハンブルク交響楽団がマルタ・アルゲリッチとの公演をライブ配信

  12. ミュンヘン発 〓 バリトンのジェラルド・フィンリーにバイエルン州から「宮廷歌手」の称号

  13. ドレスデン発 〓 名指揮者ケンペの遺品が古巣のザクセン州立歌劇場へ

  14. ザルツブルク発 〓 復活祭音楽祭が早くも2022年のプログラムを発表、オペラは《ローエングリン》

  15. ベルリン発 〓 ウラディーミル・ユロフスキがベルリン放送交響楽団との契約を延長

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。