3月4日にパリのオデオン劇場の占拠から始まったフリーランスのアーティストたちの抗議運動がフランス全土に拡大してきた。13日現在で、全土で占拠された劇場は31を数え、さらに増える勢い。アーティストたちは文化施設の速やかな再開場と社会保障費の免除期間の2022年8月までの延長を求めている。
運動のスタートは4日の共和国広場で行われた集会の後、アーティストたち約50人がオデオン劇場を占拠したこと。オデオン劇場は1784年にはボーマルシェの「フィガロの結婚」が初演された由緒ある名門劇場で、1968年の「五月危機」でも自由を求める学生たちに占拠された。
現地の報道によると、6日の夕方にはロズリーヌ・バシュロー文化大臣がオデオン劇場を訪問して話し合いの場を持ったが、アーティストたちから「ショッピング・センターや公共交通といった人がひしめく場所は閉鎖されないのに、なぜ劇場などが閉鎖されているのか理解に苦しむ」と訴えられたという。
国の政策への抗議の意味合いから、占拠されている劇場の多くが国立の劇場。パリで始まった運動はマルセイユ、ブレスト、ストラスブール、ブザンソン、ナント、リモージュ、トゥールーズといった都市部を経てさらに地方へも広がっている。
写真:Cgt Spectacle
パリ発 〓 劇場の占拠、フランス全土へ拡大
2021/03/14
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。