訃報 〓 ウド・ツィンマーマン(78)作曲家

2021/10/25
【最終更新日】2023/02/06

ドイツの作曲家ウド・ツィンマーマン(Udo Zimmermann)が10月22日、ドレスデンで亡くなった。78歳だった。学生時代からオペラ《白いバラ》を発表して作曲家として活動する一方、ライプツィヒ市立歌劇場やベルリン・ドイツ・オペラの総監督を務め、指揮者、音楽学者としても活躍した。

1943年、ドレスデンの生まれ。聖十字架のメンバーとして活動した後、カール・マリア・フォン・ウェーバー音楽院で学び、学生時代から作曲活動をスタート。1968年には、ナチス政権下に対するレジスタンス運動で犠牲になったゾフィー・ショルと兄のハンスをテーマにしたオペラ《白いバラ》を発表、大きな話題をさらった。

その後も旺盛な作曲活動を展開。1974年にドレスデンで「新しい音楽」というスタジオを設立して、東ドイツを代表する作曲家の一人に。スタジオは1986年に「ドレスデン現代音楽センター」となり、2004年に「ヨーロッパ芸術センター」に発展的に改組され、ツィンマーマンは2008年まで芸術監督を務め、振付師のウィリアム・フォーサイスと共同作業に取り組んだ。

拠点はずっとドレスデンで、1993年から1995年にはザルツブルク音楽祭の「コンポーザー・イン・レジデンス」を務め、1997年から2011年にかけてミュンヘンのバイエルン放送で「ムジカ・ビヴァ」という番組シリーズの芸術監督を務め、在任14年間に数多くの新作を紹介している。

1978年からは母校の作曲科の教授も兼任。その後、ライプツィヒ市立歌劇場(1990-2001)やベルリン・ドイツ・オペラ(2001-2003)の総監督を務めた。指揮者としても、ヨーロッパのさまざまなオーケストラに客演、また歌劇場の指揮台に立っている。

写真:Robert Michael


関連記事

  1. バーゼル発 〓 バーゼル・シンフォニエッタの次期首席指揮者にティトゥス・エンゲル

  2. ヴヴェイ発 〓 クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールが最終出場者22人を発表

  3. ウィーン発 〓 国立歌劇場がストリーミング・サービスの年末ラインナップを発表

  4. ロンドン発 〓 英国の音楽雑誌「BBCミュージック・マガジン」が年次賞を発表

  5. ザルツブルグ発 〓 モーツァルト週間が2024年の公演ラインナップを発表、テーマは「モーツァルトとサリエリ」

  6. ベルリン発 〓 休養していたバレンボイム、ベルリン州立歌劇場の「平和のためのコンサート」で復帰。ウクライナへの連帯を共有

  7. マンチェスター発 〓 BBCフィルハーモニックの首席客演指揮者にアーニャ・ビールマイアー

  8. オーフス発 〓 デンマークのオーフス響首席指揮者にベラルーシの俊英ドミトリー・マトヴィエンコ

  9. ボルチモア発 〓 マリン・オールソップがシーズン終了をもってボルティモア響の音楽監督を退任

  10. シュトゥットガルト発 〓 南西ドイツ放送響、フランソワ=グザヴィエ・ロトを首席指揮者に

  11. セヴァストポリ発 〓 ロシア文化省が建設中のセヴァストポリ国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督にイルダール・アブドラザコフ

  12. ザルツブルク発 〓 夏の音楽祭はプログラムを組み直して開催を模索

  13. 東京発 〓 第35回「高松宮殿下記念世界文化賞」の音楽部門はマリア・ジョアン・ピレシュ

  14. シンシナティ発 〓 シンシナティ響の次期音楽監督にクリスティアン・マチェラル

  15. バイロイト発 〓 バイロイト音楽祭が2026年の構想を発表、コスト上昇で規模を大幅に縮小

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。