訃報 〓 エンニオ・モリコーネ(91)イタリアの作曲家

2020/07/07
【最終更新日】2023/02/06

イタリアの作曲家エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)が6日未明に亡くなった。イタリアでの報道によると、数日前に転倒して大腿骨を骨折、入院中のローマの病院で亡くなった。91歳だった。

ローマ生まれで、地元のサンタ・チェチーリア音楽院でゴッフレド・ペトラッシに作曲技法を学んだ後、作曲家としてテレビ・ラジオ等の音楽を担当した。映画音楽の分野では、ニーノ・ロータ(1911-79年)亡き後の、イタリア最後の大物だった。

1950年代末から映画、テレビの音楽を手がけ、1960年代はセルジオ・レオーネ監督の「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」、「さすらいのガンマン」といった「マカロニ・ウェスタン」シリーズの音楽で時代を席巻した。

1971年には、「サッコ=バンゼッティ冤罪事件」を描いた映画「死刑台のメロディ」の音楽を担当。社会派の歌手ジョーン・バエズが歌った挿入歌「勝利への讃歌」が世界的に大ヒットした。

その後も、旺盛な創作活動が続き、1986年の「ミッション」、1989年の「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽は世界的に大ヒット。心温まる音楽はその後も世界中の演奏会で単独で演奏されてきた。

アカデミー賞には「天国の日々」、「ミッション」、「アンタッチャブル」、「バグジー」、「マレーナ」で5回ノミネートされ、その業績で、2007年に第79回アカデミー賞で名誉賞を受賞した、その後、2016年に「ヘイトフル・エイト」の音楽で第88回アカデミー賞の作曲賞を受賞している。

日本でも、2003年にNHKの大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』の音楽を担当。2019年、旭日小綬章を受章している。

写真:Jelmer de Haas


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