イタリアを中心に新型コロナウイルスの感染がじわじわとヨーロッパに広がっている。そのため、イタリアでは劇場が8日まで閉鎖された他、ヨーロッパの音楽シーンにも影響が出始めている。
指揮者のチョン・ミョンフン(Myung-Whun Chung)が7日に指揮する予定だったフィレンツェ歌劇場のコンサートを降板した。代役はダニエレ・ガッティが務めることになったが、その後、政府の劇場閉鎖の指示が出てこれが二転三転という。
チョンが降板したのは、日本を中国と同等の感染地域とみるイタリア政府が入国者に対して14日間の健康管理期間を求めているため。チョンは東京フィルハーモニー交響楽団の《カルメン》公演の指揮を終えて2月25日にイタリア入りした。
スイスは1000人以上のコンサートを禁止。そのため、テオドール・クルレンツィス(Teodor Currentzis)に率いられた南西ドイツ放送交響楽団(SWR Sinfonieorchester)がスイスでの公演を諦め、スペイン公演に向かった。
一方、SNSなどへの音楽家たちの投稿も続々。イスラエルがイタリアを感染地域に指定したことから、テルアビブでオペラを指揮する予定だったダニエレ・カッレガーリ(Daniele Callegari)がイスラエルへの入国拒否にあった。
また、イスラエル出身のソプラノ歌手ヒラ・バッジオ(Hila Baggeo)がフィレンツェのペルゴラ劇場でのコンサートを終えて帰国したところ、隔離されたことを明らかにしている。
写真:Teatro La Fenice
フィレンツェ発 〓 新型コロナウイルスの感染拡大めぐり、チョン・ミョンフンも降板
2020/03/04
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