日本音楽財団が所有する「パガニーニ・クァルテット」がドイツのクス・カルテット(Kuss Quartett)に一時的に貸与されることになった。クス・カルテットが6月2日から13日にかけて東京のサントリーホールで行う、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の連続演奏会で使われるという。
クス・カルテットは1991年、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学の学生だった4人が結成した。ヴァイオリンはヤーナ・クス、オリヴァー・ヴィレ、ヴィオラのウィリアム・コールマン、チェロはミカエル・ハクナザリアン。1997年のブンデンロイト、1998年のカール・クリングラー、2001年のバンフ国際弦楽四重奏といったコンクールに入賞。2002年にはパオロ・ボルチアーニ・コンクールで優勝している。ベルリンを拠点に国際的な活躍を続けている。
イタリアの名工アントニオ・ストラディヴァリ(1644〜1737)が製作したヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを組み合わせた弦楽四重奏向けのセットは世界で6つ、とされているが、財団の「パガニーニ・クァルテット」はその一つ。伝説的なヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニ(1782〜1840)が所有していたことからその名が付いた。1680年製ヴァイオリン「パガニーニ」、1727年製ヴァイオリン「パガニーニ」、1731年製ヴィオラ「パガニーニ」、1736年製チェロ「パガニーニ」から構成される。
財団は1994年に米国のコーコラン美術館から購入。1995年から2013年まで長く東京クヮルテットに貸与された後、2013年から2017年にハーゲン・カルテットに、2017年から2018年11月まではクレモナ・カルテットに貸し出されている。
写真:Kuss Quartett
東京発 〓 クス・カルテットが日本音楽財団の「パガニーニ・クァルテット」使って演奏会
2019/05/02
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