東京発 〓 クス・カルテットが日本音楽財団の「パガニーニ・クァルテット」使って演奏会

2019/05/02

日本音楽財団が所有する「パガニーニ・クァルテット」がドイツのクス・カルテット(Kuss Quartett)に一時的に貸与されることになった。クス・カルテットが6月2日から13日にかけて東京のサントリーホールで行う、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の連続演奏会で使われるという。

クス・カルテットは1991年、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学の学生だった4人が結成した。ヴァイオリンはヤーナ・クス、オリヴァー・ヴィレ、ヴィオラのウィリアム・コールマン、チェロはミカエル・ハクナザリアン。1997年のブンデンロイト、1998年のカール・クリングラー、2001年のバンフ国際弦楽四重奏といったコンクールに入賞。2002年にはパオロ・ボルチアーニ・コンクールで優勝している。ベルリンを拠点に国際的な活躍を続けている。

イタリアの名工アントニオ・ストラディヴァリ(1644〜1737)が製作したヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを組み合わせた弦楽四重奏向けのセットは世界で6つ、とされているが、財団の「パガニーニ・クァルテット」はその一つ。伝説的なヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニ(1782〜1840)が所有していたことからその名が付いた。1680年製ヴァイオリン「パガニーニ」、1727年製ヴァイオリン「パガニーニ」、1731年製ヴィオラ「パガニーニ」、1736年製チェロ「パガニーニ」から構成される。

財団は1994年に米国のコーコラン美術館から購入。1995年から2013年まで長く東京クヮルテットに貸与された後、2013年から2017年にハーゲン・カルテットに、2017年から2018年11月まではクレモナ・カルテットに貸し出されている。

写真:Kuss Quartett


関連記事

  1. パリ発 〓 ピアニストのランランが結婚

  2. ローマ発 〓 ダニエレ・ガッティがローマ歌劇場の《リゴレット》を指揮

  3. ケルン発 〓 ケルン放送管弦楽団、常任指揮者ウェイン・マーシャル退任へ

  4. オランジュ音楽祭 〓 2018年のスケジュール発表

  5. バーデン=バーデン音楽祭 〓 バーデン=バーデン祝祭劇場、2018/2019シーズンのラインナップを発表

  6. テルアビブ発 〓 ワーグナーの音楽を放送したラジオ局が謝罪

  7. ロサンゼルス発 〓 首席オーボエ奏者のオルテガ=クエロが就任早々にロサンゼルス・フィルを退団

  8. ナポリ発 〓 サンカルロ劇場が2018/2019シーズンのラインナップを発表

  9. ブリュッセル発 〓 エリザベート王妃国際音楽コンクールのバイオリン部門はステラ・チェンが優勝

  10. ヴェローナ音楽祭 〓 2019年のスケジュール発表

  11. 東京発 〓 日本フィルの首席客演指揮者にシンガポール出身のカーチュン・ウォン

  12. オーハイ音楽祭 〓 ソプラノのバーバラ・ハニガンがグラミー賞「ベスト・クラシック・ソロ・アルバム」を獲得

  13. ハンブルク発 〓 州立歌劇場が2019/2020シーズンの上演ラインナップを発表

  14. ダラス発 〓 ダラス・オペラが2019/2020シーズンのラインナップを発表

  15. ザルツブルク音楽祭 〓 ベルギーの若手歌手が「夜の女王」の代役で大成功

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。