シカゴ発 〓 シカゴ響の楽団員によるストライキに終止符

2019/04/30

シカゴ交響楽団(Chicago Symphony Orchestra)の楽団員によるストライキにようやく終止符が打たれることになった。来週にも公演が再開される予定。ストライキが始まったのは3月11日。午前8時からオーケストラ・ホールのドア前にピケット・ラインを張った。この間、ホールが使えないことから他のオーケストラの公演もすべてキャンセルされ、ホール内のカフェなども営業できない状況が続いていた。また、音楽監督のリッカルド・ムーティが楽団員を訪問したり、他のオーケストラがストライキに連帯を表明して支援金を寄付したりと、影響が広がっていた。シカゴ響のストライキとしては1992年の15日間を抜いて過去最長。

労使の対立は、給与のアップ額と年金システムの変更をめぐって。経営側は、年金をめぐっては確定給付制度から直接拠出型制度に移行すると提案。給与については、年間基本給を3シーズンかけて5%アップさせると表明していたが、これに組合側が反発、話し合いが続いていた。事態が進展しないことを心配したシカゴ市のラーム・エマニュエル市長が労使を仲介。最低賃金を今後5年間で15%アップさせること、年金については楽員側が折れ、経営側が提案した確定給付制度から直接拠出型制度に移行することで合意した。

写真:Chicago Symphony Musicians


関連記事

  1. ローマ発 〓 ダニエレ・ガッティがローマ歌劇場の《リゴレット》を指揮

  2. ウィーン発 〓 ウィーン交響楽団に初のコンサートミストレス

  3. ヌスドルフ発 〓 作曲家ワーグナーの最後の孫が死去

  4. 北京発 〓 ピアノの一斉演奏でギネス記録を更新

  5. ブダペスト発 〓 イヴァン・フィッシャーが失明の危機だったと告白

  6. モスクワ発 〓 ボリショイ劇場が2018/2019シーズンのラインナップ発表

  7. ミラノ発 〓 スカラ座が2019/2020シーズンの公演ラインナップを発表

  8. ハンブルク発 〓 難民たちに州立歌劇場が《ナブッコ》のコーラスへの参加呼びかけ

  9. アントワープ発 〓 フランダース・オペラの音楽監督にアレホ・ペレス

  10. 武生国際音楽祭 〓 音楽監督の細川俊夫のオペラ《松風》が日本初演

  11. ロンドン発 〓 「クイーンズ・シアター」が「スティーヴン・ソンドハイム・シアター」に

  12. ワシントン発 〓 ケネディー・センターが2019/2020シーズンのラインナップを発表

  13. ワルシャワ発 〓 新しい“ショパン・コンクール”終了

  14. エディンバラ発 〓 エディンバラ国際フェスティバルが2018年の公演ラインナップを発表

  15. カーディフ発 〓 英国ウェルシュ・ナショナル・オペラのトップに米国シアトル・オペラの総監督

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。