高雄発 〓 台湾最大の総合芸術センターがオープン

2018/10/17
【最終更新日】2020/12/09

人口270万を有する台湾第2の都市・高雄にこのほど、台湾最大の複合芸術センター「衛武営国家芸術文化中心=National Kaohsiung Center for the Arts」がこのほどオープンした。13日には蔡英文(Tsai Ingwen)総統が臨席するオープニング・コンサートが行われ、簡文彬(Chien WenPin)が国家交響楽団と高雄交響楽団などを指揮して、台湾の作曲家による作品を演奏した。

簡はライン・ドイツ・オペラの指揮者などを長く務め、2006年に台湾で初めてワーグナー《ニーベルングの指環》全曲演奏を行っている台湾楽壇のリーダーの一人で、新しいセンターの初代芸術監督に就任した。11月にはグスターボ・ドゥダメル率いるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が客演して、バーンスタイン、マーラーの作品を取り上げる予定。

新しいセンターは、陸軍基地「衛武営」跡地14万1千平方メートルに造成された巨大公園の中に建設されたもの。総工費は3億ユーロ。設計はオランダのフランシーン・ホーベン(Francine Houben)女史で、センター全体を「ガジュマルの樹」のイメージでまとめたという。また、高雄が造船業で栄えた街だったことに因み、建物の壁面には造船技術で2300枚の鉄板を貼り合わせる手法が採用された。

建物内には、2248席の「歌劇院=オペラハウス」、2012席の「音楽庁=コンサートホール」、1212席の「戯劇院=プレイハウス」。434席の「表演院=リサイタルホール」の4つのホールが設けられた。「音楽庁」には9085本のパイプを持つアジア最大のパイプ・オルガンが設置された。100年を超える歴史を持つドイツの「ヨハネス・クライス=Johannes Klais Orgelbau」社に特注したという。




写真&映像:National Kaohsiung Center for the Arts


    もっと詳しく ▷

関連記事

  1. 訃報 〓 ルイ・アンドリーセン(82)オランダの作曲家

  2. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  3. オーデンセ発 〓 オーデンセ響の首席指揮者にピエール・ブリューズ

  4. アムステルダム発 〓 コンセルトヘボウがリベンジへ、来年5月に「マーラー・フェスティバル」

  5. ウィーン発 〓 アン・デア・ウィーン劇場が新制作のベートーヴェン《フィデリオ》を上演前にストリーミング配信

  6. サバンナ発 〓 原田慶太楼が米国サバンナ・フィルハーモニックの音楽・芸術監督に

  7. ブレーマーハーフェン発 〓 市立劇場が音楽総監督のマルク・ニーマンとの契約を延長

  8. ドレスデン発 〓 空席だった聖母教会オルガン奏者に27歳のニクラス・ヤーン

  9. 大津発 〓 びわ湖ホールが来年度の公演ラインナップを発表

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場で陽性反応、新制作の《パルジファル》の上演を延期

  11. ヴィースバーデン発 〓 ヘッセン州立劇場が2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  12. バンクーバー発 〓 キーシンが自由主義陣営の及び腰のウクライナ支援を一喝、「あらゆることしなければ」

  13. ウィーン発 〓 2025年の「オーパンバル」はコルネリウス・マイスターが指揮、ナディーン・シエラ、ファン・ディエゴ・フローレスが出演

  14. ミュンヘン発 〓 ブロムシュテットのコンサート、火災報知器の誤作動を見極められずに安全を期して中止

  15. ハンブルク発 〓 名門ホール「ライスハレ」が使っていないパイプ・オルガンを入れ替え

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。