ドイツのファゴット奏者クラウス・トゥーネマン(Klaus Thunemann)が8月29日に亡くなった。88歳だった。20世紀を代表するファゴット奏者の一人で、ハンブルクの北ドイツ放送交響楽団(現在のNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団)の首席奏者を務めた後、ソリストとして活躍した。
1937年、マクデブルクの生まれ。ピアノに続いてファゴットを学び、ベルリン音楽大学でウィリー・フグマンに師事した。卒業して北ドイツ放送響に入団、1962年から1978年まで首席奏者を務めた。同時に室内楽やソリストとしても活発に活動。1970年代にはエーバーハルト・ヴェーバーらジャズ奏者らとも共演した。
また、録音では、ピアノのアルフレッド・ブレンデル、オーボエのハインツ・ホリガー、室内楽団イ・ムジチといったアーティストと数多く共演。「フィリップス」や「ドイツ・グラモフォン」などのレーベルに、ヴィヴァルディやモーツァルトらのファゴット作品の名録音を数多く残している。
後進の指導にも熱心で、ハノーファー音楽演劇メディア大学、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学、マドリードのソフィア王妃高等音楽院などで教え、数多くの才能を送り出している。受賞多数で、2006年にはドイツ政府から連邦共和国功労勲章が授与されている。
写真:Klaus Thunemann


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