訃報 〓 ペーター・シュライアー(84)ドイツのテノール歌手

2019/12/28
【最終更新日】2023/02/16

世界的なテノール歌手ペーター・シュライアー(Peter Schreier)が12月25日、ドレスデンの自宅で84歳で亡くなった。20世紀を代表するテノール歌手の一人で、叙情的な声で、オペラのみならずドイツ歌曲の分野でも傑出した存在だった。晩年は指揮者としても活躍した。

1935年、マイセン近郊の生まれ。父親は教師と教会の楽長、オルガン奏者をしていたことから、8歳の時にドレスデンの聖十字架教会の少年聖歌隊である、聖十字架合唱団に入団。1959年、ベートーヴェンの「フィデリオ」の第一の囚人役を歌ってオペラ・デビューした。

1963年に東ベルリンのベルリン国立歌劇場と契約。1966年にはウィーン国立歌劇場デビューし、国際的な活躍が始まった。モーツァルトの作品を中心に世界的な劇場で60以上の役を演じ、2000年に《魔笛》の王子タミーノ役を最後にオペラの舞台から引退した。

また、35歳の時から糖尿病と闘いながら活動、ドイツ歌曲では、J・S・バッハ、シューベルト、シューマンの歌い手としても知られる。2005年には歌手活動からも引退した。

写真:DPA / Sebastian Kahnert

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