ソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)が6年ぶりに米国で公演を行うことを発表したことに対し、メトロポリタン歌劇場のピーター・ゲルブ(Peter Gelb)総裁が「ニューヨーク・タイムズ」紙上で批判を繰り広げた。ネトレプコは2025年2月にパームビーチ・オペラでリサイタルを行って米国に復帰する予定。
総裁はロシアのウクライナへの武力侵攻後、過去にプーチン大統領を支持したことを理由にネトレプコの以後の出演を取り消している。ネトレプコが3度にわたって戦争を非難したことに対しても、それでは不十分として1年以上にわたって批判を続け、本人から名誉毀損と契約違反で訴えられて現在も係争中。
取材に対してゲルブは、復帰報道に「不幸な決断」と明言、「彼女がロシアの戦争から距離を置こうとする不誠実な努力をしていると感じた」と語った。また、ネトレプコがメトロポリタン歌劇場に復帰する唯一の条件について「ウクライナのためになるのであれば、明日にでもメトロポリタン歌劇場でリサイタルを歌うことができる」と述べている。
これに対し、ネトレプコ側もすぐに応酬。マネージャーのミゲル・エステバンが「ニューヨーク・タイムズ」紙に対して「アンナ・ネトレプコは、メトロポリタン歌劇場への復帰の誘いを喜んで検討するでしょう、現総裁の退任後に」とするメールを送ったことを明らかにしている。
写真:Salzburger Osterfestspiele / Franz Neumayr
ニューヨーク発 〓 ネトレプコの米国復帰めぐり、メトロポリタン歌劇場のゲルブ総裁と本人が応酬
2024/08/02
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