ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場が行っている「ナショナル・カウンシル・オーディション」の最終選考が4月29日行われ、5人の歌手が合格した。「ナショナル・カウンシル・オーディション」は年一回の開催で、若い歌手の発掘、支援を行うためのプログラム。応募者は1000人を超え、全米で最も厳しいオーディションとされる。出場したファイナリストは11人で、2つの異なる言語のアリアを歌う。オーディションからは過去、テレサ・ストラータス、ジェシー・ノーマン、デボラ・ヴォイト、ルネ・フレミング、トーマス・ハンプソンといった蒼々たるメンバーを輩出しており、2007年のセミ・ファイナルからファイナルまでの1週間が、メトロポリタン歌劇場の創立125周年を記念したドキュメンタリー映画「The Audition〜 メトロポリタン歌劇場への扉」の中で描かれている。
合格したのは、ソプラノのマディソン・レナードとジェシカ・ファセルト、メゾ・ソプラノのホンニー・ウーとアシュレー・ディクソン、テノールのカルロス・エンリケ・サンテッリ。レナードはワシントン・オペラの「ドミンゴ=カーフィッツ・ヤングアーティスト・プログラム」のメンバー。ウーは中国・広州の星海音楽学院を卒業後、マンハッタン音楽学校に学んだ中国人。この2018/2019シーズン、ヴェルディ《椿姫》のフローラ、ビゼー《カルメン》のメルセデスで、英国ロイヤル・オペラにデビューする。フェセルトはフロリダ・グランド・オペラのスタジオ・アーティストで、セントルイス・オペラとデモイン・メトロ・オペラの若手アーティスト・プログラムのメンバー。ディクソンとサンテッリはファイナリスト初の夫婦同時合格。今年はコンサートをベルトラン・ド・ビリーが指揮。審査員にはジョイス・ディドナート、ブライアン・イーメルが加わっている。
写真:Richard Termine / Metropolitan Opera
ニューヨーク 〓 メトロポリタン歌劇場「ナショナル・カウンシル・オーディション」で5人に栄誉
2018/05/02
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