訃報 〓 アンネローゼ・シュミット(85)ドイツのピアニスト

2022/03/15
【最終更新日】2023/02/06

ドイツのピアニスト、アンネローゼ・シュミット(Annerose Schmidt)が17日に亡くなった。85歳だった。旧・東ドイツを代表するピアニストの一人で、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学初の女性の学長(1990-1995)などを歴任、2006年に健康上の障害から演奏活動から引退していた。

シュミットは1936年、旧・東ドイツのヴィッテンベルクの生まれ。ヴィッテンベルク音楽院の院長だった父から英才教育を受け、幼少時にデビュー。その後、ライプツィヒ音楽院で学び、1955年のショパン国際ピアノ・コンクールに参加してから旧共産圏を中心に活動を展開した。

1956年にはドイツ民主共和国ピアノ・コンクール、国際ロベルト・シューマン・コンクールで優勝。1958年からは西側でも演奏活を展開するようになり、古典派からシューマン、ショパンなどのロマン派の作品をレパートリーの中心に欧米のオーケストラとの競演を重ねた。

初来日は1973年。1970年から1977年にかけてクルト・マズア指揮のドレスデン・フィルハーモニーとモーツァルトのピアノ協奏曲全集を完成させている。2000年のショパン国際ピアノコンクールの審査員も務め、2003年のドイツ連邦共和国功労勲章など受章多数。

写真:Gewandhausorchester Leipzig


関連記事

  1. ケルン発 〓 指揮者のフランソワ=グザヴィエ・ロトがケルン市との契約を延長

  2. リガ発 〓 マルタン・エングストロームがラトビアに新しい音楽祭を創設

  3. カトヴィツェ発 〓 第2回「カロル・シマノフスキ国際音楽コンクール」がロシア音楽の演奏を禁止、発表に波紋広がる

  4. 東京発 〓 ドミンゴが東京五輪イベントへの出演を辞退

  5. 上海発 〓 第3回「上海アイザック・スターン国際ヴァイオリン・コンクール」がセミ・ファイナリスト13人を発表

  6. ミュンヘン発 〓 ソプラノのニーナ・シュテンメにバイエルン州から「宮廷歌手」の称号

  7. パリ発 〓 国立オペラのリスナー総裁が新制作のキャンセルに言及、長引くストライキの影響で

  8. 東京発 〓 新国立劇場が「巣ごもりシアター」第4弾のラインナップ発表

  9. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表、芸術総監督ホモキが最終シーズン

  10. ジュネーブ発 〓 ジュネーブ国際コンクールのフルート部門はエストニア出身のエリザヴェータ・イヴァノヴァが優勝

  11. ミュンヘン発 〓 パトリック・ハーンがミュンヘン放送管の首席客演指揮者に

  12. レーゲンスブルク発 〓 市立劇場の座付きオーケストラ、レーゲンスブルク・フィルハーモニックの次期音楽総監督兼首席指揮者にステファン・ヴェセルカ

  13. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラの新制作《ピーター・グライムズ》、新型コロナで初日を3月6日に延期

  14. トゥールーズ発 〓 キャピトル劇場が新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  15. ベルリン発 〓 第2回「オーパス・クラシック賞」決まる

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。