訃報 〓 タマーシュ・ヴァーシャーリ(92)ハンガリー出身のピアニスト

2026/02/07

ハンガリー出身のピアニスト、タマーシュ・ヴァーシャーリ(Tamas Vasary)が5日に亡くなっていたことが判った。92歳だった。ハンガリー動乱で母国を離れた後、ピアニストとして活動する一方、英国のノーザン・シンフォニアの芸術監督、ハンガリー放送交響楽団の首席指揮者を務め、300を超えるタイトルの録音を残している。

ルーマニア国境に近いハンガリー第二の都市デブレツェンの生まれ。8歳でモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏して舞台デビューするなど神童として注目を集め、ブダペストのリスト音楽院に進み、14歳だった1947年に音楽院で開催されたリスト音楽コンクールで優勝。その後、エルンスト・フォン・ドホナーニらに師事、ゾルターン・コダーイの助手を務めた。

1955年には、第5回「ショパン国際ピアノ・コンクール」で佳作を受賞。しかし、1956年にハンガリー動乱が勃発し、師のドホナーニやゲオルグ・ショルティら多くの音楽家が出国、両親も国外追放されたことで母国を離れ、ベルギーを経てスイスに移住、その後、スイス国籍を取得した。

1960年から欧米の主要都市でデビュー。ロンドンに拠点を移した後、「ドイツ・グラモフォン」と契約を結び、モーツァルトの協奏曲をはじめ、ショパン、リスト、ラフマニノフといったロマン派のピアノ作品を中心に20タイトルを超える録音を残している。ドイツ・グラモフォンの他、スプラフォン、シャンドス、フンガロトンら6つのレーベルで録音を行っており、その数は300タイトルを超える。

指揮者としては、1979年から1982年まで英国のノーザン・シンフォニアの芸術監督を、イヴァン・フィッシャーと共同で務めた。また、1993年から2004年までハンガリー放送交響楽団の首席指揮者を務めている他、英国の主要なオーケストラに客演、米国でもピアニスト、指揮者として定期的に活動していた。

写真:Magyar Rádió Szimfonikus Zenekarának / Vörös Attila





関連記事

  1. ベルリン発 〓 指揮者のダニエル・バレンボイムが脊椎手術、2月いっぱい休養

  2. ミラノ発 〓 クリスティアン・ティーレマンが代役で久々にスカラ・フィルの指揮台に

  3. ボストン発 〓 ボストン響が突然、音楽監督のネルソンスとの契約を2026/2027シーズンで終了と発表

  4. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・フィルの首席コンサートマスターを務めるマーティン・シャリフォーが2024/2025シーズンで退団

  5. ライプツィヒ発 〓 ゲヴァントハウス管が夏の音楽祭

  6. チューリッヒ発 〓 チューリッヒ歌劇場が新制作の《ホフマン物語》をストリーミング配信

  7. アムステルダム発 〓 オランダ放送フィルが首席指揮者のカリーナ・カネラキスとの契約を再延長

  8. ダブリン発 〓 RTÉ国立交響楽団が首席指揮者にスペイン出身のハイメ・マルティーン

  9. ベルリン発 〓 キョンミン・パクが韓国人として初めてベルリン・フィルに入団

  10. ベルリン発 〓 ソプラノのアンナ・トモワ=シントウがベルリン州立歌劇場の名誉会員に

  11. ソフィア発 〓 若手歌手のための「オペラリア」、2025年はブルガリアの首都ソフィアで

  12. ラハティ発 〓 ダリア・スタセヴスカがラハティ響の首席指揮者に

  13. ブエノスアイレス発 〓 南米も公演キャンセル広がる、新型コロナウイルスの感染拡大で

  14. ローマ発 〓 ゲルギエフが新型コロナに感染、共演のダニール・トリフォノフも

  15. ウィーン発 〓 エリザーベト・レオンスカヤがモーツァルトのピアノ・ソナタ全集をリリース

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。