東京発 〓 N響が早くも2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表

2024/10/13

NHK交響楽団(NHK Symphony Orchestra)が早くも2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表した。首席指揮者のファビオ・ルイージ、定期公演に復帰する名誉音楽監督シャルル・デュトワ、桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットに加え、世界の音楽シーンをリードする指揮者たちの客演が続く。

新シーズンはルイージの首席指揮者4シーズン目となるが、9月の開幕公演では、折にふれて取り上げてきたフランツ・シュミットの交響曲第4番を取り上げる。それにイェフィム・ブロンフマンを迎えてのベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》というプログラムが組まれた。

続いて10月は、公演時に98歳となっているブロムシュテットの月。シベリウスの交響曲第5番を核にした北欧物、メンデルスゾーンの交響曲第2番《讃歌》を核としたもの、ピアノのレイフ・オヴェ・アンスネスを迎えての協奏曲第2番と交響曲第3番というオール・ブラームスという3つのプログラムを指揮する。

一方、11月はデュトワが軸で、メシアンの合唱曲《神の現存の3つの小典礼》、ホルストの組曲《惑星》という女声合唱をともなうプログラムに加えて、生誕150年を迎えるラヴェル・プログラムを指揮する。十八番にしてきたラヴェルは《亡き王女のためのパヴァーヌ》、《クープランの墓》、《ダフニスとクロエ》という至福の刻。

12月のルイージは、N響が藤倉大に作曲を委嘱した新作の初演の他、ツェムリンスキーの交響詩《人魚姫》、サン=サーンスの交響曲第3番《オルガン付》、ニールセンの交響曲第4番《不滅》と多彩な展開。10月に行われる「ショパン国際ピアノ・コンクール」の優勝者をソリストに迎える公演もある。ルイージはその後も、ブルックナーの交響曲第9番、マーラーの交響曲第5番を指揮する予定で、多彩な活躍を見せる。

客演する指揮者の顔ぶれが充実していることも特徴で、トゥガン・ソヒエフ、フィリップ・ジョルダン、ヤクブ・フルシャ、ミヒャエル・ザンデルリンク、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン、ライアン・バンクロフト、ラファエル・パヤーレ、山田和樹らが顔を揃え、これまでにない充実ぶりだ。

写真:NHK Symphony Orchestra


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. トリノ発 〓 リッカルド・ムーティがストリーミングのための《コジ・ファン・トゥッテ》を指揮してトリノ歌劇場にデビュー

  2. ラハティ発 〓 指揮者のオスモ・ヴァンスカが骨折事故を乗り越え、車椅子で現場復帰へ

  3. イスタンブール発 〓 パトリック・ハーンがトルコのボルサン・イスタンブール・フィルハーモニー管弦楽団の次期芸術顧問兼首席客演指揮者に

  4. 訃報 〓 アレクサンドル・ブズロフ(38)ロシアのチェロ奏者

  5. ブレーメン発 〓 ブレーメン市がパーヴォ・ヤルヴィに芸術科学メダル

  6. 東京発 〓 東京二期会が2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  7. ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルがトゥガン・ソヒエフの出演をキャンセル

  8. 訃報 〓 ルーゼン・グネス(80)トルコ出身のヴィオラ奏者

  9. ロサンゼルス発 〓 ジェームズ・コンロンが任期最後の2025/2026シーズン前にロサンゼルス・オペラの音楽監督を退任へ

  10. リガ発 〓 指揮者のマリス・ヤンソンスがまた切手に

  11. ライプツィヒ発 〓 指揮者界の最長老ブロムシュテットが今週末、ゲヴァントハウス管を指揮してステージに復帰

  12. アムステルダム発 〓 ロイヤル・コンセルトヘボウ管の第8代首席指揮者にクラウス・マケラ

  13. 訃報 〓 ビリー・ゴールデンバーグ(84)米国の作曲家

  14. 訃報 〓 ヤープ・シュレーダー(95)オランダのヴァイオリン奏者

  15. デトロイト発 〓 デトロイト響の次期音楽監督にヤデル・ビニャミーニ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。