訃報 〓 ルイ・アンドリーセン(82)オランダの作曲家

2021/07/02
【最終更新日】2023/02/06

オランダの作曲家ルイ・アンドリーセン(Louis Andriessen)が7月1日、アムステルダム近郊のウェースプで亡くなった。82歳だった。同世代を代表する作曲家で、ジャズやロックの文脈を取り込んだ「ミニマル・ミュージック」の後の「ポスト・ミニマリスト」の大御所として知られた。

ユトレヒト生まれ。作曲家の父ヘンドリク(1892-1981)以下、兄ユリアーン(1925-1996年)、姉セシリア(1931-)、叔父ウィレム(1887-1964)が音楽家となった家で育った。

ユトレヒト音楽院で父ヘンドリクに、また、ハーグ音楽院でケース・ファン・バーレンに作曲を学ぶ。その後、ミラノとベルリンでイタリアの作曲家ルチアーノ・ベリオの下で研鑽を積んだ。

1959年、オランダのガウデアムス国際作曲家賞を受賞。1970年代の初めから、伝統的なオーケストラのために曲を作ることから離れ、伝統的なオーケストラの楽器とエレクトリック系の楽器の融合を模索、同時代のあらゆる音楽語法を取り込んできた。代表作に音楽劇《物質》や《デ・ステイル》、《労働組合》や《国家》、《時間》などがある。

また、映画監督のピーター・グリーナウェイとの共作でも知られる。モーツァルト没後200年を記念した英国BBCの番組《人間、音楽、モーツァルトのM》の後、1994年に《ロサ ─ ある馬のドラマ》、1999年に《フェルメールへの手紙》をオランダ国立オペラのために制作している。

写真:Arts Council Ireland


関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルがトゥガン・ソヒエフの出演をキャンセル

  2. ローマ発 〓 ローマ歌劇場が2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  3. マドリッド発 〓 ドミンゴがSNSで新型コロナウイルス感染を明らかに

  4. オデーサ発 〓 ウクライナの音楽祭「オデーサ・クラシックス」がエストニの首都タリンに会場を移して開催

  5. ウィーン発 〓 国立歌劇場がストリーミング第2週のラインナップを発表、新制作の《ドン・ジョヴァンニ》もライブ配信

  6. パリ発 〓 ハーディングの後任にクラウス・マケラ、パリ管の次期音楽監督

  7. ピッツバーグ発 〓 マンフレート・ホーネックがピッツバーグ響との契約を延長

  8. パリ発 〓 フランス国立管弦楽団のソロ・フルート奏者にシルビア・カレッドゥ

  9. トロント発 〓 カナダ国立バレエ団が元バレリーナのマリア・セレツカヤを常任指揮者に

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場が5月のストリーミング配信ラインナップを発表

  11. ザンクト・ペルテン発 〓 トーンキュンストラー管の次期首席指揮者にファビアン・ガベル、佐渡裕の後任

  12. ロンドン発 〓 英国のクラシック音楽雑誌「グラモフォン」の「オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」一般投票始まる

  13. シュトゥットガルト発 〓 シュトゥットガルト州立オペラが2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  14. 東京発 〓 ウェルザー=メストの代役はソヒエフ、ウィーン・フィルの日本ツアー

  15. ロンドン発 〓 ヴァイオリニストのジョシュア・ベルが音楽監督を務めるアカデミー室内管との契約を延長

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。