ハンブルグ発 〓 ハンブルグ市がメルケル首相をテーマにしたオペラを制作

2021/04/03
【最終更新日】2021/04/07

ドイツ・ハンブルグ市が街ゆかりのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の半生を描いたオペラの制作に乗り出す。ピーター・チェンチャー市長が市の文化予算から1200万ユーロを拠出することを発表した。作曲者は発表されていないが、オペラは第8代ドイツ連邦共和国首相、「世界で最もパワフルな女性」として経済危機や難民問題、コロナ禍の中での活躍を描くという。

メルケル首相は1954年7月17日、ハンブルク生まれ。ただ、生まれて数週間後でプロテスタントの牧師だった父親ホルスト・カスナーが東ドイツ勤務となり、一家でクヴィツォウ(現ベルレンブルク)に移住した。その後、一家はベルリン近郊のテンプリンに移り、長じてライプツィヒのカール・マルクス大学で物理学を学んだ。

1977年、23歳で楽友のウルリッヒ・メルケルと学生結婚。翌年、ベルリンの科学アカデミー付属物理化学中央研究所に配属された。女性の学術助手はただ一人で、1981年に離婚。1986年に研究所で博士号を取得、1990年の東西ドイツ再統一の過程で研究所が解体されるまで所属していた。

政治の道に入ったきっかけは1989年のベルリンの壁崩壊。その年の年末に新政党「デモクラシーの勃興=DA」へ入党。それが解党されると、1990年に「キリスト教民主同盟=CDU」に入党、そこでコール首相に抜擢されたことを足場に大きく飛躍、51歳だった2005年に歴代最年少、女性初、東ドイツ出身者として初の首相に就任した。

発表によると、オペラには”ハートの首相”という仮のタイトルが付けられており、政治の道に入ってからの描写が中心。1998年にはベルリンのフンボルト大学教授でノーベル賞の候補者に名前が上がる著名な量子化学者ヨアヒム・ザウワーと再婚しているが、プライベートなことはあまり描かれないという。

オペラはハンブルグだけでなく、母校の高校があるテンプリンでの野外公演、選挙区であるメクレンブルク=フォアポンメルン州の夏の音楽祭でも上演が予定されている。首相は毎年のようにバイロイト音楽祭に出掛けているオペラ好きで、自身がオペラの題材に選ばれたことをとても喜んでいるという。

写真:Bundesregierung / Steffen Kugler


関連記事

  1. ヴェルビエ発 〓 ゲルギエフがヴェルビエ音楽祭オーケストラの音楽監督を辞任

  2. デュッセルドルフ発 〓 アダム・フィッシャーが首席指揮者を務めるデュッセルドルフ響との契約を延長

  3. バイロイト音楽祭 〓 2023年の新制作はバーチャル・リアリティーによる《パルジファル》

  4. ベルリン発 〓 レコード賞「オーパス・クラシック」の年度賞発表、ピアノの角野隼斗が2部門で受賞

  5. ミラノ発 〓 スカラ座の次シーズンのアウトラインが明らかに。48年ぶりに《ノルマ》が復活

  6. ブラティスラヴァ発 〓 ミハイル・プレトニョフが新しいオーケストラを創設、ロシア・ナショナル管の音楽監督を当局が解任?

  7. アムステルダム発 〓 コンセルトヘボウ管が26日から活動再開

  8. 訃報 〓 レナーテ・ホルム(90)オーストリアのソプラノ歌手

  9. ロンドン発 〓 指揮者のドナルド・ラニクルズに「サー」の称号

  10. ミンスク発 〓 ベラルーシ国立オペラ管のコンサートマスターたちを反大統領派として解雇

  11. アムステルダム発 〓 ロイヤル・コンセルトヘボウ管がハイティンクの追悼コンサート

  12. ラスベガス発 〓 ラスベガス・フィルが芸術顧問に大御所レナード・スラットキン

  13. 訃報 〓 カルロ・フランチ(91)イタリアの指揮者

  14. フィレンツェ発 〓 フィレンツェ5月音楽祭も中止

  15. ブカレスト発 〓 金川真弓が「ジョルジュ・エネスク国際コンクール」ヴァイオリン部門で優勝、第3位に木村和奏

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。