ウィーン発 〓 話題の《ピーター・グライムズ》で国立歌劇場合唱団に19人の陽性反応、あわや上演中止の危機に

2022/02/04

感染力の高いオミクロン株による混乱がここにもー。ウィーン国立歌劇場(Wiener Staatsoper)で2月2日、ブリテン《ピーター・グライムズ》に出演予定の歌劇場合唱団メンバー19人に陽性反応が出て、上演中止の危機に陥った。結局、アルノルド・シェーンベルク合唱団が助っ人を買って出て、上演に漕ぎ着けた。

国立歌劇場の《ピーター・グライムズ》は、クリスティーネ・ミーリッツの演出で2016年から上演が続いているプロダクション。今回の上演ではヨナス・カウフマン、ブリン・ターフェル、リーゼ・ダヴィドセンという豪華な共演が実現、話題を集めていた。

2日は上演後、指揮者のシモーネ・ヤング、カウフマン、ターフェルへの授賞式が行われた。ヤングには「名誉会員」、カウフマンとターフェルにはオーストリアの「宮廷歌手」の称号が贈られた。ヤングは1993年に国立歌劇場にデビュー、初めてその指揮台に立った女性指揮者。以来196回、公演を指揮している。

一方、カウフマンのデビューは2006年で、モーツァルト《魔笛》のタミーノを歌って。これまで38回、さまざまな役柄を歌っている。また、ターフェルの初登場は1993年。以来72回、モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》のタイトルロールとレポレッロを、《ピーター・グライムズ》のバルストロード船長を歌っている。

写真:Wiener Staatsoper / Katharina Schiffl


関連記事

  1. ローマ発 〓 サンタ・チェチーリア音楽院が東洋人の学生のレッスンを停止

  2. アムステルダム発 〓 首席指揮者不在のロイヤル・コンセルトヘボウ管で楽団員が投票

  3. 訃報 〓 ジュゼッペ・ジャコミーニ(80)イタリアのテノール歌手

  4. ジュネーブ発 〓 国際音楽コンクール世界連盟がチャイコフスキー国際コンクールを追放

  5. グラフェネック発 〓 音楽祭開幕コンサートの指揮台に佐渡裕、幕開けは細川俊夫の新作ファンファーレ、ヴェルディのレクイエムは急きょ“合唱なし”

  6. パリ発 〓 レジス・パスキエの愛器1736年製「グァルネリ・デル・ジェス」が競売に、推定落札価格は5億円超

  7. ベルリン発 〓 指揮者のロビン・ティチアーティが任期切れ前の2025年の夏で退任、ベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督を

  8. フィレンツェ発 〓 ジェームズ・レヴァインの現場復帰がお預けに

  9. ミュンヘン発 〓 ゲルトナープラッツ劇場のジェニファー・オローリン、ルシアン・クラスネクにバイエルン州から「宮廷歌手」の称号

  10. ハンブルク発 〓 フィンランドの俊英タルモ・ペルトコスキが老舗レーベル「ドイツ・グラモフォン」と契約

  11. 訃報 〓 ネッド・ローレム(99)米国の作曲家

  12. ロンドン発 〓 ピアニストの内田光子に「ウィグモア・ホール・メダル」

  13. ウィーン発 〓 フィリップ・ジョルダン、国立歌劇場の音楽監督退任へ

  14. ザールブリュッケン発 〓 ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルの首席クラリネットに19歳の小林りゅうた

  15. オークランド発 〓 「ASBシアター」が「キリ・テ・カナワ劇場」に改名

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。