ウィーン発 〓 2020年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラム発表

2019/11/03

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が2020年元旦に行う2020年の「ニューイヤー・コンサート」の曲目が明らかになった。「ニューイヤー・コンサート」は毎年元旦、彼らが本拠地にしている楽友協会大ホールで行っている恒例行事。“音楽の都からの音楽の年賀状”で、演奏は90カ国以上に中継され、全世界で1億人を超える人たちが新年気分を味わっているとされる。

2020年の指揮は初登場となるアンドリス・ネルソンス(Andris Nelsons)。コンサートのプログラムは通常、“ワルツ王”ヨハン・シュトラウス2世らシュトラウス家の楽曲を中心に構成されるが、ネルソンスの組んだプログラムは、2020年が生誕250周年となるベートーヴェンの作品を採り上げたのが最大の特徴。12のコントルダンスから、1、2、3、7、10、8番の6曲が演奏される

また、デンマークの作曲家ハンス・クリスチャン・ロンビ(1810-1874)の作品も採り上げており、これも珍しい。ロンビはオーケストラのためのワルツやポルカ、マズルカ、ギャロップを残し、「北国のヨハン・シュトラウス」と呼ばれた作曲家。そこにオーストリアの作曲家であるカール・ミヒャエル・ツィーラー、ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世、フランツ・フォン スッペの有名な喜歌劇《軽騎兵》序曲が加えられた。

 カール・ミヒャエル・ツィーラー:喜歌劇《放浪者》序曲
 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ《愛の挨拶》
 ヨーゼフ・シュトラウス:リヒテンシュタイン行進曲
 ヨハン・シュトラウス二世:ポルカ《花祭り》
 ヨハン・シュトラウス二世:ワルツ《レモンの花咲くところ》
 エドゥアルト シュトラウス:ポルカ《警告なしで》
   ……… 休憩
 フランツ・フォン スッペ:喜歌劇《軽騎兵》序曲
 ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ《キューピッド》
 ヨハン・シュトラウス二世:ワルツ《もろびと手をとり》
 エドゥアルト シュトラウス:ポルカ・マズルカ《氷の花》
 ヨーゼフ・ヘルメスベルガー二世:ガヴォット
 ハンス・クリスチャン・ロンビ:郵便馬車のギャロップ
 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:12のコントルダンスから、1、2、3、7、10、8番
 ヨハン・シュトラウス二世:ワルツ《人生を楽しめ》
 ヨハン・シュトラウス二世:トリッチ・トラッチ・ポルカ
 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ《ディナミーデン》

写真:Vienna Philharmoniker / Terry Linke


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 ラトルが《薔薇の騎士》で1日だけ代役を依頼

  2. ザルツブルク発 〓 聖霊降臨祭音楽祭が2025年の公演ラインナップを発表、テーマは「ヴェネツィア」

  3. ザルツブルク復活祭音楽祭 〓 来年のオペラはネトレプコ主演の《トゥーランドット》

  4. バルセロナ発 〓 スペインのカダケス管が活動を停止

  5. ウィーン発 〓 国立歌劇場が新作の《カルメン》のストリーミング配信へ、カストロノーヴォの代役にベチャワ、ラチヴェリシュヴィリは現場復帰

  6. 北京発 〓 フィラデルフィア管が中国国際音楽コンクールのレジデント・オーケストラに

  7. ウィーン発 〓 カミラ・ニールンドに国立歌劇場の「ロッテ・レーマン メモリアル・リング」

  8. ウィーン発 〓 2022年の「ニューイヤー・コンサート」の指揮者はバレンボイム

  9. ウィーン発 〓 ウィーン国立歌劇場が4月後半のストリーミング配信のラインナップを発表

  10. ウィーン発 〓 グルベローヴァの遺品がオンライン・オークションに

  11. ウィーン発 〓 バルトリが国立歌劇場にデビュー!

  12. インスブルック発 〓 アイナルス・ルビキスがインスブルック響の首席指揮者に

  13. ザルツブルク発 〓 聖霊降臨祭音楽祭が開催中止を発表

  14. ブラティスラバ発 〓 スロヴァキア放送響激震、レナルトが復帰

  15. ザルツブルク発 〓 モーツァルト週間が2026年に新制作の《魔笛》を上演

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。