訃報 〓 アンナー・ビルスマ, オランダのチェロ奏者

2019/07/26
【最終更新日】2019/08/01

古楽器演奏の先駆者として知られたオランダのチェロ奏者アンナー・ビルスマ(Anner Bylsma)が25日、アムステルダムで亡くなった。85歳だった。バロック・チェロとガット弦の組み合わせを活かし、モダン楽器とは一線を画したニュアンス豊かな表現でクラシック音楽界に新風を吹き込み、その後のロジャー・ノリントンによる「ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ」、フランス・ブリュッヘンによる「18世紀オーケストラ」といった古楽器オーケストラの創立などに繋がった他、モダン楽器の表現にも大きな影響を与えた。

1934年、ハーグ生まれ。ハーグ王立音楽院卒業後、1959年にメキシコで行われたパブロ・カザルス国際コンクールで優勝。1962年から1968年までアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(現在のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)首席チェロ奏者を務めた。退団後、バロック・チェロに専念。1979年にリリースしたバッハ無伴奏チェロ組曲の一度目の録音は、柔らかな響きと語りかけるような息遣いで、隠れていた生き生きとした舞曲的な側面を浮かび上がらせて話題をさらった。

その後も、古楽演奏の第一人者として数多くの歴史的名盤を世に送り出す一方、夫人のヴェラ・ベス(ヴァイオリン)、ユルゲン・クスマウル(ヴィオラ)たちとガット弦を使用した弦楽アンサンブル「ラルキブデッリ=L’Archbudelli」を結成。バロック時代からロマン派まで多彩な活動を続けていた。また、演奏活動のかたわら、アムステルダムやハーグの王立音楽院で後進の指導に尽力。門下からはピーター・ウィスペルウェイや鈴木秀美が羽ばたいている。

写真:Radio Netherlands Archives / Keke-Keukelaar


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