訃報 〓 アンナー・ビルスマ(85)オランダのチェロ奏者

2019/07/26
【最終更新日】2023/02/16

古楽器演奏の先駆者として知られたオランダのチェロ奏者アンナー・ビルスマ(Anner Bylsma)が25日、アムステルダムで亡くなった。85歳だった。バロック・チェロとガット弦の組み合わせを活かし、モダン楽器とは一線を画したニュアンス豊かな表現でクラシック音楽界に新風を吹き込み、その後のロジャー・ノリントンによる「ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ」、フランス・ブリュッヘンによる「18世紀オーケストラ」といった古楽器オーケストラの創立などに繋がった他、モダン楽器の表現にも大きな影響を与えた。

1934年、ハーグ生まれ。ハーグ王立音楽院卒業後、1959年にメキシコで行われたパブロ・カザルス国際コンクールで優勝。1962年から1968年までアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(現在のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)首席チェロ奏者を務めた。退団後、バロック・チェロに専念。1979年にリリースしたバッハ無伴奏チェロ組曲の一度目の録音は、柔らかな響きと語りかけるような息遣いで、隠れていた生き生きとした舞曲的な側面を浮かび上がらせて話題をさらった。

その後も、古楽演奏の第一人者として数多くの歴史的名盤を世に送り出す一方、夫人のヴェラ・ベス(ヴァイオリン)、ユルゲン・クスマウル(ヴィオラ)たちとガット弦を使用した弦楽アンサンブル「ラルキブデッリ=L’Archbudelli」を結成。バロック時代からロマン派まで多彩な活動を続けていた。また、演奏活動のかたわら、アムステルダムやハーグの王立音楽院で後進の指導に尽力。門下からはピーター・ウィスペルウェイや鈴木秀美が羽ばたいている。

写真:Radio Netherlands Archives / Keke-Keukelaar


関連記事

  1. シカゴ発 〓 リリック・オペラが音楽監督のエンリケ・マッツォーラとの契約を延長

  2. ミラノ発 〓 スカラ座が2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  3. ロンドン発 〓 レザール・フロリサンが創立40周年ツアー

  4. ウィーン発 〓 今年の「オーパンバル」はド・ビリーが指揮、サエンス、ガランチャ、ベチャワが出演

  5. トロント発 〓 カナディアン・オペラ・カンパニーが2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  6. ベルゲン発 〓 エドワード・ガードナーがベルゲン・フィルの首席指揮者を退任して名誉指揮者に

  7. ミュンヘン発 〓 ミュンヘン市長がゲルギエフを解職

  8. リガ発 〓 エギルス・シリンスがラトビア国立オペラの総監督に

  9. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが新制作の《トリスタンとイゾルデ》を31日にライブ・ストリーミング

  10. オスロ発 〓 音楽監督のクラウス・マケラがチェロ奏者としてオーケストラと共演

  11. 北京発 〓 ピアニストのラン・ランが中国でバッハ・ツアー、15都市でゴルドベルク変奏曲

  12. サンクト・ペテルブルク発 〓 ミハイロフスキー劇場の音楽監督にアレヴティナ・ヨッフェ、ロシア初の女性音楽監督

  13. アブダビ発 〓 イスラエル・フィルがアラブ首長国連邦を訪問、歴史的コンサート

  14. ミュンヘン発 〓 2021年の「ゲーテ・メダル」が作曲家の細川俊夫らに

  15. ナポリ発 〓 サン・カルロ劇場が次期音楽監督にダン・エッティンガー

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。