モスクワ発 〓 指揮者のクルレンツィスにギリシャ政府がフェニックス勲章

2018/09/30
【最終更新日】2022/02/21

自ら創設したオーケストラ「ムジカエテルナ」を率いて、楽壇の風雲児として話題を集める指揮者のテオドール・クルレンツィスに28日、ギリシャ政府からフェニックス勲章が贈られた。伝達式はモスクワのギリシャ大使館で行われた。

フェニックス勲章は第2ギリシャ共和国時代の1926年に設けられた勲章で、芸術文学、科学、行政、船舶、商業、産業で優れた業績をあげたギリシャ人、ギリシャの国際的な威信を高めた外国人に人物に贈られている。5段階あり、クルレンツィスにはいきなり3番目の「コマンダー勲章」が贈られた。

クルレンツィスは1972年、ギリシャの首都アテネ生まれの46歳。地元で音楽教育を受けた後、1994年からロシアのサンクトペテルブルク音楽院に留学。そこで名教師イリヤ・ムーシンから指揮法を学んだ。卒業後はサンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団で音楽監督のユーリ・テミルカーノフのアシスタントを務めて研鑽を積んだ。

2004年にシベリアの玄関口ノヴォルシビスクの国立歌劇場の音楽監督に就任して頭角を現し、2010年に退任するまでの間に「ムジカエテルナ」と「ムジカエテルナ室内合唱団」を創設して芸術監督に就任した。2011年からペルミにある国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督。2018/2019シーズンから南西ドイツ放送交響楽団の首席指揮者も兼任する。

ノヴォルシビスクで旗揚げした「ムジカエテルナ」は現在、ペルミの国立オペラ・バレエ劇場のオーケストラが加わって再編成され、この夏のザルツブルク音楽祭ではクルレンツィスに率いられ、5夜にわたるベートーヴェンの交響曲全曲演奏会を行っている。

写真:https://www.facebook.com/currentzis


関連記事

  1. ウィーン発 〓 ズービン・メータがウィーン・フィルをキャンセル

  2. ボン・ベートーヴェン・フェスティバル 〓 2018年の音楽祭が終了、来年のテーマは「月光」

  3. グラインドボーン音楽祭 〓 2019年のスケジュールを発表

  4. ソウル発 〓 ソウル市立交響楽団の首席指揮者にオスモ・ヴァンスカ

  5. [ 新作オペラFLASH 2018 ]ザルツブルク音楽祭 〓 ポッペアの戴冠

  6. ボローニャ発 〓 ボローニャ歌劇場が2019年の上演ラインナップを発表

  7. クラスノヤルスク発 〓 トレチャコフ国際ヴァイオリン・コンクール創設へ

  8. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・オペラが2019/2020シーズンのラインナップを発表

  9. シカゴ発 〓 ムーティーが労働協約めぐり楽団員を擁護

  10. リーズ発 〓 国際ピアノ・コンクールが閉幕

  11. ニューヨーク発 〓 テノールのカマレナがMETのアンコール記録を更新

  12. ヒルヒェンバッハ発 〓 南ヴェストファーレン・フィルが首席指揮者にナビル・シェハタ

  13. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート、シルヴィア・カレッドゥ退団へ

  14. インディアナポリス発 〓 第10回「インディアナポリス国際ヴァイオリンコンクール」で外村理紗が2位

  15. ベルリン発 〓 ドイツ・グラモフォンが120周年記念コンサートをライブ配信

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。