自ら創設したオーケストラ「ムジカエテルナ」を率いて、楽壇の風雲児として話題を集める指揮者のテオドール・クルレンツィスに28日、ギリシャ政府からフェニックス勲章が贈られた。伝達式はモスクワのギリシャ大使館で行われた。
フェニックス勲章は第2ギリシャ共和国時代の1926年に設けられた勲章で、芸術文学、科学、行政、船舶、商業、産業で優れた業績をあげたギリシャ人、ギリシャの国際的な威信を高めた外国人に人物に贈られている。5段階あり、クルレンツィスにはいきなり3番目の「コマンダー勲章」が贈られた。
クルレンツィスは1972年、ギリシャの首都アテネ生まれの46歳。地元で音楽教育を受けた後、1994年からロシアのサンクトペテルブルク音楽院に留学。そこで名教師イリヤ・ムーシンから指揮法を学んだ。卒業後はサンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団で音楽監督のユーリ・テミルカーノフのアシスタントを務めて研鑽を積んだ。
2004年にシベリアの玄関口ノヴォルシビスクの国立歌劇場の音楽監督に就任して頭角を現し、2010年に退任するまでの間に「ムジカエテルナ」と「ムジカエテルナ室内合唱団」を創設して芸術監督に就任した。2011年からペルミにある国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督。2018/2019シーズンから南西ドイツ放送交響楽団の首席指揮者も兼任する。
ノヴォルシビスクで旗揚げした「ムジカエテルナ」は現在、ペルミの国立オペラ・バレエ劇場のオーケストラが加わって再編成され、この夏のザルツブルク音楽祭ではクルレンツィスに率いられ、5夜にわたるベートーヴェンの交響曲全曲演奏会を行っている。
写真:https://www.facebook.com/currentzis
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