映画音楽を数多く手掛けてきたイタリアの作曲家エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)が先日、イタリアの日刊紙「コリエーレ・デラ・セーラ=Corriere della Sera」のインタビューの中で、映画音楽はもう書かないと発言して周囲をやきもきさせている。モリコーネは1928年、ローマ生まれ。今年の11月で90歳を迎える。これまで500本以上の映画のサウンド・トラックを書いてきた大御所。ただ、クラシック音楽の作曲は続ける予定で、いまは2人のピアノとヴァイオリンのための作品の完成をめざしているという。
モリコーネはローマのサンタ・チェチーリア音楽院でゴッフレド・ペトラッシに作曲技法を学んだ後、1950年代末から映画やテレビの音楽の道に入り、1960年代のいわゆる「マカロニ・ウェスタン」の作品の音楽でその名を知られるようになり、1986年の映画「ミッション」の音楽で名声を確立。1987年には映画「アンタッチャブル」の音楽でグラミー賞を受賞し、1989年には映画「ニュー・シネマ・パラダイス」が世界的なヒットとなった。日本でも、2003年のNHK大河ドラマ「武蔵-MUSASHI」の音楽を手掛けている。
アメリカ映画の音楽を手掛ける機会も多く、アカデミー賞の作曲賞へのノミネートは「天国の日々」=1978年、「ミッション」=1986年、「アンタッチャブル=1987年 、「バグジー」=1991年 、「マレーナ」=2000年、の5回。2007年には、第79回アカデミー賞の名誉賞を受賞。そして2016年、「ヘイトフル・エイト」の音楽でついに第88回アカデミー賞作曲賞を受賞した。アカデミー賞以外にも、ゴールデン・グローブ賞を3回、英国アカデミー賞を5回、イタリアの映画賞ダヴィッド・ディ・ドナテッロ(David di Donatello)賞を10回、それにポーラー賞を受賞している。
写真:Ennio Morricone.com
ローマ発 〓 映画音楽の大御所モリコーネが引退?
2018/09/24
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