未完に終わっていたフランツ・リスト(1811-1886)のイタリア語オペラ《Sardanapalo》が先月、ドイツ・ワイマールで世界初演された。《Sardanapalo》はアッシリアの最後の王サルダナパールを描いた3幕構成の作品で、バイロンが1821年に書いた歴史的悲劇「Sardanapalus」を元にしている。
上演のための楽譜は、英国ケンブリッジ大学のデヴィッド・トリペッド講師が補筆、完成させたもの。きっかけは講師がライプチヒ音楽院の学生時代、ワイマールにあるゲーテ・シラー資料館で《Sardanapalo》の写本を発見したこと。リストは1846年から1858年にかけ、ワイマールの宮廷楽団の監督を務めており、講師の調査では、リストが作品に取り組んだのは1849年のことだという。発見以来、講師は10年以上かけてリストのスケッチなど断片を繋ぎ合わせ、直近の3年でオーケストレーションを施すなどして楽譜を仕上げた。
演奏会スタイルによる上演が行われたのは19日と20日。キリル・カラビッツ指揮のワイマール国民劇管弦楽団によって行われた。オーケストラの新シーズンの開幕を飾る演奏会で、歌手陣はオレクサンドル・プシニアク(バリトン)、ジョイス・エル=コーリー(ソプラノ)、アイラム・ヘルナンデス(テノール)。
写真:Staatskapelle Weimar / Candy Welz
ワイマール発 〓 未完に終わっていたリストのオペラを世界初演
2018/09/05
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