サンティアゴ発 〓 アンドレ・リュウ率いる“ヨハン・シュトラウス・オーケストラ”がチリで立ち往生

2019/10/25
【最終更新日】2019/10/26

“現代のワルツ王”アンドレ・リュウ(André Rieu)と彼のオーケストラ“ヨハン・シュトラウス・オーケストラ”がチリの首都サンティアゴで立ち往生…。一行は今回、サンティアゴのモビスター・アリーナで4公演(17日、18日、19日、20日)を行う予定だったが、18日に非常事態宣言が布告され、市民の夜間の外出が禁止されたことで、週末の19日、20日の公演が中止となる憂き目にあったという。

誰もが楽しめるステージを標榜して、リュウは自らのオーケストラを率いて、聴いて楽しい、観て楽しいツアーを世界展開してきたが、今回のツアーは、前回2017年の大成功を受けて企画されたもの。4公演で4万枚のチケットが売れる人気だったという。ところが、サンティアゴでは18日から地下鉄の値上げに反対する学生の一部が地下鉄の駅構内に火をつけたり中心部の店を破壊したりするなど暴徒化。これにピニェラ大統領は18日夜、サンティアゴに非常事態を宣言し、軍を動員して、市内の移動を制限、暴徒を取締る事態に陥った。

チリは南米で最も政情は安定している国とされ、サンティアゴでは来月、APECの首脳会議が開かれることが決まっている。ところがここにきて、生活費の上昇や格差拡大、増大する国の債務などに対する国民のうっ積が爆発した格好。非常事態宣言の影響で航空便のダイヤも乱れ、リュウ一行が乗る予定だったアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに向かう便もキャンセル。このため、リュウ自らがチャーター便を押さえてチリを離脱することになったという。

写真:www.facebook.com/events/movistar-arena/

関連記事

  1. アムステルダム発 〓 コンセルトヘボウが8日からネット上で「マーラー・フェスティバル」

  2. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  3. ボルドー発 〓 ボルドー・アキテーヌ国立管の音楽監督にジョセフ・スヴェンセン

  4. フィレンツェ発 〓 フィレンツェ歌劇場の《リゴレット》でレオ・ヌッチが降板、代役にルカ・サルシ

  5. プラハ発 〓 プラジャーク・クヮルテットが2021年に解散

  6. 訃報 〓 パヴレ・デシュパイ(87)クロアチアの指揮者

  7. ケルン発 〓 ケルン市立歌劇場が新シーズン、2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  8. ニューヨーク発 〓 ズヴェーデンが2023/2024シーズンでニューヨーク・フィルの音楽監督を退任

  9. ベルリン発 〓 作曲家のジョン・ウィリアムズが指揮者として今度はベルリン・フィルにデビュー

  10. 訃報 〓 ハリー・クプファー(84)ドイツの演出家

  11. ニューヨーク発 〓 新たに11人の女性がドミンゴのセクハラを証言

  12. ニューヨーク発 〓 テノールのステファン・グールドが健康上の理由で引退を表明

  13. 訃報 〓 アンソニー・ペイン(84)英国の作曲家

  14. バレンシア発 〓 ソフィア王妃芸術宮殿の次期音楽監督にジェームズ・ガフィガン

  15. フィラデルフィア発 〓 ナタリー・シュトゥッツマンがフィラデルフィア管の首席客演指揮者に

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。