“現代のワルツ王”アンドレ・リュウ(André Rieu)と彼のオーケストラ“ヨハン・シュトラウス・オーケストラ”がチリの首都サンティアゴで立ち往生…。一行は今回、サンティアゴのモビスター・アリーナで4公演(17日、18日、19日、20日)を行う予定だったが、18日に非常事態宣言が布告され、市民の夜間の外出が禁止されたことで、週末の19日、20日の公演が中止となる憂き目にあったという。
誰もが楽しめるステージを標榜して、リュウは自らのオーケストラを率いて、聴いて楽しい、観て楽しいツアーを世界展開してきたが、今回のツアーは、前回2017年の大成功を受けて企画されたもの。4公演で4万枚のチケットが売れる人気だったという。ところが、サンティアゴでは18日から地下鉄の値上げに反対する学生の一部が地下鉄の駅構内に火をつけたり中心部の店を破壊したりするなど暴徒化。これにピニェラ大統領は18日夜、サンティアゴに非常事態を宣言し、軍を動員して、市内の移動を制限、暴徒を取締る事態に陥った。
チリは南米で最も政情は安定している国とされ、サンティアゴでは来月、APECの首脳会議が開かれることが決まっている。ところがここにきて、生活費の上昇や格差拡大、増大する国の債務などに対する国民のうっ積が爆発した格好。非常事態宣言の影響で航空便のダイヤも乱れ、リュウ一行が乗る予定だったアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに向かう便もキャンセル。このため、リュウ自らがチャーター便を押さえてチリを離脱することになったという。
写真:www.facebook.com/events/movistar-arena/
サンティアゴ発 〓 アンドレ・リュウ率いる“ヨハン・シュトラウス・オーケストラ”がチリで立ち往生
2019/10/25
【最終更新日】2019/10/26
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