米国のピアニスト、ピーター・ゼルキン(Peter Serkin)が2月1日、膵臓がんのためニューヨークの自宅で亡くなった。72歳だった。父はピアニストのルドルフ・ゼルキン、母はヴァイオリニストのアドルフ・ブッシュの娘という音楽一家で育つ。カーティス音楽院で学び、19歳だった1966年にグラミー賞の最優秀クラシック・アーティスト新人賞を受賞して将来を嘱望された。しかし、1971年に妻子とメキシコに移住して演奏活動を一時休止、しばらくして現場復帰したというエピソードを持つ。
1973年にはリチャード・ストルツマン、アイダ・カヴァフィアン、フレッド・シェリーらと共に現代音楽演奏団体「タッシ」を結成、数多くの現代音楽の初演を手掛けた。演奏活動と同時に、ジュリアード音楽院、カーティス音楽院、バードカレッジ音楽院などで後進の指導に当たった。親日家で、小澤征爾の招きでサイトウ・キネン・フェスティバル松本(現在はセイジ・オザワ松本フェスティバル)にも出演を重ねた。昨年11月にも来日の予定があったが、体調を崩して中止されていた。
写真:Regina Touhey
訃報 〓 ピーター・ゼルキン(72)米国のピアニスト
2020/02/03
【最終更新日】2023/02/17
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