[ 新作オペラFLASH 2018 ]ザルツブルク音楽祭 〓 魔笛

2018/08/01
【最終更新日】2018/08/17

ザルツブルク初登場のリディア・スタイアーはヨーロッパで頭角を現してきた女流演出家。サーカスの世界を連想させる彼女のキッチュでメルヘンチックな演出には好意的な批評が並ぶ。スタイアーはセリフを大幅にカットし、「おじいさん」という役を新たに設けたのが特徴。彼がナレーターとして、3人の子供たちに物語を語るというスタイルを取り入れ、ストーリーを再構成した。公演直前に「おじいさん」に予定されたブルーノ・ガンツが降板、クラウス・ マリア・ブランダウアーにチェンジするというピンチも乗り越えた。物語の舞台は第1次大戦直前のサーカスの世界(?)ということで、捕らわれたパミーナは的に縛り付けられ、モノスタトスが彼女にナイフを投げつけるといった具合。そこにザラストロが現れ、パミーナを救うという段取り。登場人物の衣裳もカラフルでお祭り騒ぎの盛り上がり。

初日:7月27日 … 祝祭大劇場
[演出]リディア・スタイアー
[出演]マティアス・ゲルネ(ザラストロ)
    マウロ・ペーター(タミーノ)
    アルビナ・シャギムラトヴァ(夜の女王)
    クリスティアーネ・カルク(パミーナ)
    アダム・プラチェトカ(パパゲーノ)
    マリア・ナザーロワ(パパゲーナ)
    マイケル・ポーター(モノスタトス)
    クラウス・ マリア・ブランダウアー(おじいさん)
[指揮]コンスタンティノス・カリーディス
[演奏]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

写真:Salzburger Festspiele / Ruth Walz


    音楽祭のサイトへ ▷

関連記事

  1. カーディフ発 〓 英国ウェルシュ・ナショナル・オペラのトップに米国シアトル・オペラの総監督

  2. ハンブルク発 〓 アンネ・ソフィー・フォン・オッターが「#MeToo運動」に異議

  3. ミュンヘン発 〓 ミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ・トリオ部門で、日本の「葵トリオ」が優勝

  4. モスクワ発 〓 中国愛楽楽団が初のロシア・ツアー

  5. 東京発 〓 新国立劇場が2018/2019シーズンの上演スケジュールを発表

  6. ミュンヘン発 〓 ヤンソンスがダウン、バイエルン放送響の日本ツアーは代役にメータ

  7. ブリュッセル発 〓 フィラデルフィア管弦楽団の演奏会が中断、パレスティナ擁護の叫びで

  8. ワルシャワ発 〓 新しい“ショパン・コンクール”終了

  9. [新作オペラ・フラッシュ2018]ザルツブルク音楽祭 〓 サロメ

  10. プラハ発 〓 2019年の「オペラリア」はプラハで開催

  11. アムステルダム発 〓 オランダ放送フィルの次期首席指揮者にカネラキス

  12. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・フィルハがメータに「名誉指揮者」の称号

  13. 武生国際音楽祭 〓 音楽監督の細川俊夫のオペラ《松風》が日本初演

  14. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルが2019年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラムを発表

  15. ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラが土曜夜の公演を18歳以下に無料開放

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。