ロンドン発 〓 ラトルが隠れた名作をディナー・パーティーでゲット!?

2018/10/01

今年92歳になる女流作曲家の作品がふとしたきっかけで、ロンドン交響楽団の演奏会で取り上げられ、英国初演されることになった。その作曲家はベッツィ・ジョラス(Betsy Jolas)。きっかけは、ディナー・パーティで指揮者のサイモン・ラトルと隣り合わせになったこと。英国での報道によると、彼女が健在で作曲活動を続けていることを知ったラトルは、帰宅後にYouTubeで彼女の作品をいくつも聴いて感動、演奏会で取り上げることにしたという。

ジョラスはパリ生まれで、少女期を米国で過ごした後、フランスに帰国。パリ高等音楽院でダリウス・ミヨー、オリヴィエ・メシアンの下で作曲を学び、1953年のブザンソン国際作曲コンクールで優勝。その後は母校の教壇に立ち、1978年には作曲クラスの教授に就任。そのかたわら、イェール大学、ハーバード大学、バークレー音楽院などでも教鞭を執った経験を持つ。

来年2月にバービカン・センターで行う演奏会で取り上げられるのは、約13分の「リトル・サマー」組曲。ロンドン交響楽団は昨シーズンからラトルを音楽監督に迎えて新しい企画を連発中で、見逃されてきた作品や未発見の作曲家に光を当てる、というテーマも掲げている。63歳のラトルにとってジョラスは母親の世代だが、その作品を取り上げることで好スタートを切ることができそうだ。

写真:inaconcert.com / Fondation-Prince-Pierre


    Click here for details ▷











関連記事

  1. パリ発 〓 ナタリー・シュトゥッツマンが「レジオンドヌール勲章」を受章

  2. ライプツィヒ・バッハ音楽祭 〓 今年の「バッハ・メダル」はピアニストのロバート・レヴィン

  3. ニューヨーク発 〓 作曲家ジョン・ウィリアムズが自作のスコアなどすべてを母校ジュリアード音楽院に寄贈

  4. ブリュッセル発 〓 モネ劇場が好スタート、2018/2019シーズンが開幕

  5. 東京発 〓 リッカルド・ムーティが第30回「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞

  6. ドレスデン発 〓 ザクセン州立歌劇場が2019/2020シーズンの公演ラインナップを発表

  7. ウィーン発 〓 ベルナルト・ハイティンクがウィーン・フィルの名誉会員に

  8. 東京発 〓 新国立劇場が2019/2020シーズンの公演ラインナップを発表

  9. ウィーン発 〓 ルネ・パーペにオーストリア宮廷歌手の称号

  10. 東京発 〓 NHK交響楽団が2019/2020シーズンの公演ラインナップを発表

  11. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・オペラが2019/2020シーズンのラインナップを発表

  12. ワシントン発 〓 ナショナル交響楽団がジャナンドレア・ノセダとの契約を延長

  13. ロンドン発 〓 サカリ・オラモがBBC交響楽団との契約を2022年まで延長

  14. 浜松発 〓 若手演奏家のためのピアノ・アカデミー再スタートへ

  15. ヴェローナ音楽祭 〓 2019年のスケジュール発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。