今年92歳になる女流作曲家の作品がふとしたきっかけで、ロンドン交響楽団の演奏会で取り上げられ、英国初演されることになった。その作曲家はベッツィ・ジョラス(Betsy Jolas)。きっかけは、ディナー・パーティで指揮者のサイモン・ラトルと隣り合わせになったこと。英国での報道によると、彼女が健在で作曲活動を続けていることを知ったラトルは、帰宅後にYouTubeで彼女の作品をいくつも聴いて感動、演奏会で取り上げることにしたという。
ジョラスはパリ生まれで、少女期を米国で過ごした後、フランスに帰国。パリ高等音楽院でダリウス・ミヨー、オリヴィエ・メシアンの下で作曲を学び、1953年のブザンソン国際作曲コンクールで優勝。その後は母校の教壇に立ち、1978年には作曲クラスの教授に就任。そのかたわら、イェール大学、ハーバード大学、バークレー音楽院などでも教鞭を執った経験を持つ。
来年2月にバービカン・センターで行う演奏会で取り上げられるのは、約13分の「リトル・サマー」組曲。ロンドン交響楽団は昨シーズンからラトルを音楽監督に迎えて新しい企画を連発中で、見逃されてきた作品や未発見の作曲家に光を当てる、というテーマも掲げている。63歳のラトルにとってジョラスは母親の世代だが、その作品を取り上げることで好スタートを切ることができそうだ。
写真:inaconcert.com / Fondation-Prince-Pierre
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ロンドン発 〓 ラトルが隠れた名作をディナー・パーティーでゲット!?
2018/10/01
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