20世紀フランスを代表するソプラノの歌手の一人、マディ・メスプレ(Mady Mesplé)が5月30日、生まれ故郷のトゥールーズでなくなった。89歳だった。高音部で声を転がすように歌うコロラトゥーラ歌手として一世を風靡した。
歌手デビューは1953年で、リエージュでドリーブの《ラクメ》に出演した。その後、著名な歌劇場に次々にデビューし、1970年代、80年代はオペラ、コンサートへの出演が年間150回を数えたという。
コロラトゥーラの技巧に加え、リリック・ソプラノらしい透明感と若々しさを感じさせる声が特徴。当たり役のラクメの他、オランピア、ジュリエット、連隊の娘などを持ち役にした。録音も数多く残し、ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)のTVCMなどでも活躍した。
パリのエコール・ノルマル音楽院の声楽科教授(1985-1990)など、教育者としても活躍。「日仏音楽友の会」の発起人にも名を連ね、京都フランス音楽アカデミーの2006年度招待教授にも任命されるなど、親日家としても知られている。
写真:Warner
訃報 〓 マディ・メスプレ(89)フランスのソプラノ歌手
2020/06/01
【最終更新日】2023/02/16
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