オランダの指揮者エド・デ・ワールト(Edo de Waart)が引退を発表した。デ・ワールトは現在、82歳。オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の名誉指揮者だが、直近2回のコンサートをキャンセルしている。
デ・ワールトはアムステルダムのスウェーリンク音楽院でオーボエとピアノを学び、アムステルダムのコンセルトヘボウ管弦楽団に次席オーボエ奏者として入団した。1964年、米国の「ディミトリー・ミトロプーロス指揮コンクール」で優勝。副賞として、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団でレナード・バーンスタインの助手を1年間経験する。
帰国後、ベルナルト・ハイティンクの下、コンセルトヘボウ管の指揮者助手に任命され、1967年にはオランダ管楽合奏団とロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者に任命され、1973年から1985年までロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めた。コンセルトヘボウ管弦楽団率いる若きハイティンクに続く、オランダ指揮者界のホープとして期待を集め、名門レーベル「フィリップス」を中心に多数の録音を残している。
その後、サンフランシスコ交響楽団(1977ー1985)、ミネソタ管弦楽団(1986ー1995)の音楽監督、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団(1989ー2004)の首席指揮者、シドニー交響楽団の首席指揮者兼芸術顧問(1995ー2004)を歴任、屈指のオーケストラ・ビルダーとしてその名が知られた。
1999年からはオランダ国立オペラの首席指揮者も務めたが、早々に2004年に退任。音楽の仕上がりに妥協を許さず、演出家の専横にも物言う気難しい指揮者ながらその後も引っ張りだこ。香港フィルハーモニー管弦楽団音楽監督(2004ー2012)、ミルウォーキー交響楽団の音楽監督(2009ー2017)、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者(2011ー2016)、ニュージーランド交響楽団の音楽監督(2016ー2019)を務め、2015年からはサンディエゴ交響楽団の第一指揮者を務めていた。
写真:Jesse Willems
アムステルダム発 〓 指揮者のエド・デ・ワールトが引退を発表
2024/04/10
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。