ウィーン発 〓 芸術週間がクルレンツィス率いる南西ドイツ放送響招聘を見送り、リーニフらウクライナからの抗議受け

2024/02/13

ウィーン芸術週間(Wiener Festwochen)がテオドール・クルレンツィス率いる南西ドイツ放送交響楽団の招聘を見送ると発表した。ウクライナのキーウ交響楽団を率いて客演するオクサーナ・リーニフの抗議を受けて。リーニフはロシアのウクライナに対する武力侵攻について曖昧なクルレンツィスとの共演は出来ないとインタビューでも答えていた

当初の予定では、リーニフたちは6月2日にコンツェルトハウスを会場にウクライナの作曲家イーヴェン・スタンコヴィチのカディッシュ・レクイエム《バービ・ヤール》を演奏。その10日後にクルレンツィスたちがブルク劇場を会場に《戦争レクイエム》を演奏することになっていた。

主催者側は、「エキサイティングな二つの作品を対置させることで「政治的・社会的最前線に意図的に疑問を投げかける」と説明してきたが、演出家、劇作家、映画監督、ジャーナリストとして活躍する芸術週間の芸術監督ミロ・ラウは「リーニフの共演したくないという希望を尊重します」と語っている。

南西ドイツ放送響も声明を出し、「リーニフらが、ロシアの侵略戦争に反対する声明をクルレンツィスに出して欲しかったことは理解できる」と前置きし、「しかし、そのような声明が彼にとってどのような結果をもたらすかを考慮して、私たちは彼にそれを求めることはしなかった」と述べている。

写真:www.facebook.com/oksana.lyniv


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