パリ発 〓 トーマス・ヘンゲルブロックがパリ室内管の音楽監督に

2024/01/28

指揮者のトーマス・ヘンゲルブロック(Thomas Hengelbrock)がパリ室内管弦楽団(Orchestre de chambre de Paris)の音楽監督に就任することになった。音楽監督のポストは2022年9月、ラルス・フォークトが急逝した後、空席になっていた。

ヘンゲルブロックは1958年、北海に面するドイツ北部の港街で、北大西洋条約機構(NATO)の海軍基地が置かれているヴィルヘルムスハーフェン生まれの65歳。ヴァイオリン奏者として、ニコラウス・アーノンクール率いるウィーン・コンツェントゥス・ムジクスへ参加。1985年にドイツの古楽アンサンブル、フライブルク・バロック管弦楽団の設立に加わり、1997年まで指揮者を務めた。

そのかたわら、音楽と朗読、演技、舞踊など他の芸術との結合をめざし、1991年にバルタザール=ノイマン合唱団、1995年にはバルタザール=ノイマン・アンサンブルを設立、古楽演奏に積極的に取り組んできた。

また、1995年にはブレーメンを拠点とするドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督に就任(ー1998)。2000年からウィーン・フォルクスオーパーの音楽監督(-2003)、2011年からはハンブルクのNDR交響楽団の首席指揮者(ー2018)を歴任している。

パリ室内管は1978年、パリ管弦楽団のコンサートマスターを務めたジャン=ピエール・ヴァレーズらによって設立され、ジャン=ジャック・カントロフ、アルミン・ジョルダン、ジョン・ネルソン、トーマス・ツェートマイヤーらが音楽監督を務めてきた。

写真:Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks / Astrid Ackermann


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