ロシアの日刊紙「イズベスチヤ」が指揮者のワレリー・ゲルギエフ(Valery Gergiev)が首都モスクワのボリショイ劇場の総監督に就任すると報じた。ゲルギエフは1988年から、サンクト・ペテルブルクのマリインスキー劇場の芸術監督・総監督を務めており、双方の監督を一人の人間が務めるのは1917年のロシア革命後初めてという。
報道によれば、2013年からその任にあるウラジーミル・ウリン(Vladimir Urin)が近く退任する。ウリンは昨年3月、プーチン大統領に対し、国際的なヴァイオリニストで指揮者としても活躍しているウラディーミル・スピヴァコフら芸術家16人と共同で「ウクライナでの特殊作戦の停止を求める請願書」を提出。これに大統領が反応し、3月末のゲルギエフとのリモート会見で二つの劇場を監督することを提案していた。
ゲルギエフはこの5月で70歳。ウクライナ侵略後も沈黙を守ったことで、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者のポストをはじめ、海外のポスト、仕事のほぼすべて失った。ボリショイ劇場の総監督就任は11月16日から18日まで開催されるサンクトペテルブルク国際文化フォーラムで発表されるという。
写真:Sergey Bulkin
モスクワ発 〓 ロシアのメディア、ゲルギエフがボリショイ劇場の総監督も兼務と報道
2023/11/17
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