ストックホルム発 〓 2018年の「ビルギット・ニルソン賞」はシュテンメに

2018/05/16
【最終更新日】2022/04/21

スウェーデンのビルギット・ニルソン財団は15日、2018年の「ビルギット・ニルソン賞」をソプラノ歌手、ニーナ・シュテンメ=写真右=に贈ると発表した。作曲家の意図に対する敬意、ドラマチックなソプラノのレパートリーへの絶え間ない献身、そして、当代を代表するワーグナー・ソプラノとしての活躍ぶりが認められた。

スウェーデンが生んだ世界的なソプラノ、ビルギット・ニルソン(1918 – 2005)=写真左=が最晩年に自ら創設した賞は、音楽界で顕著な功績を挙げているアーティスト、団体に贈られており、賞金が音楽賞としては世界最高の100万ドル(約1200万円)。2009年の第1回はテノール歌手のプラシド・ドミンゴが受賞。2011年の第2回は指揮者のリッカルド・ムーティ、2014年の第3回はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が受賞している。

シュテンメは1963年、首都ストックホルムの生まれ。ピアノとヴィオラを学んだ後、声楽への道に進んだが、同時に大学で経営学と経済学を学び、改めてプロの歌手をめざしたという経歴を持つ。英国のグラインドボーン音楽祭での成功で一躍注目を集め、いまでは世界各地の歌劇場で活躍。中でも、《ニーベルングの指環》のブリュンヒルデ、《トリスタンとイゾルテ》のイゾルテといったワーグナー作品での歌唱は評価が高い。

授賞式は10月11日、国王夫妻の臨席の下、ストックホルムの王立オペラで行われ、カール16世グスタフ国王から賞状などが授与される。授賞式後、王立オペラのオーケストラによる受賞記念コンサートが行われ、バス・バリトンのブリン・ターフェル、ソプラノのクリスティーナ・ニルソンが共演する。

写真:The Birgit Nilsson Foundation


関連記事

  1. サンターガタ発 〓 イタリア政府が競売危機のヴェルディの旧居を取得、オペラ界は総力あげてチャリティー・キャンペーン

  2. 訃報 〓 ハンス・ノイエンフェルス(80)ドイツの演出家

  3. キーウ発 〓 ウクライナ国立オペラがオペラ上演を再開

  4. シュタイアー発 〓 「オーストリア音楽劇場賞」の最優秀指揮者にフランツ・ウェルザー=メスト

  5. マドリード発 〓 スペイン国立管が首席指揮者・芸術監督のダーヴィト・アフカムとの契約を延長

  6. 東京発 〓 新国立劇場が「巣ごもりシアター」第4弾のラインナップ発表

  7. ミラノ発 〓 スカラ座が「平和のためのコンサート」開催、ウクライナへの連帯を表明

  8. 東京発 〓 第36回「高松宮殿下記念世界文化賞」音楽部門はアンドラーシュ・シフに

  9. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場は新型コロナウイルスのワクチン接種義務付け

  10. ミュンヘン発 〓 ザクセン州立オペラに続いてバイエルン州立オペラも公演をキャンセル、新型コロナの感染者急増で

  11. 訃報 〓 ヴィルジニア・ゼアーニ(95)ルーマニア出身のソプラノ歌手

  12. インディアナポリス発 〓 準・メルクルがインディアナポリス響の音楽監督に

  13. ブリュッセル発 〓 オペラ雑誌の年間賞「Oper! Awards2025」発表、授賞式がモネ劇場

  14. バルセロナ発 〓 指揮者のジョセップ・ポンスがリセウ大劇場との契約を延長

  15. 訃報 〓 ラインベルト・デ・レーウ(81)オランダの指揮者、ピアニスト、作曲家

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。