ニューヨーク発 〓 新たに11人の女性がドミンゴのセクハラを証言

2019/09/06
【最終更新日】2019/10/17

米国のAP通信(Associated Press)が6日、世界的なテノール歌手プラシド・ドミンゴ(Plácido Domingo)によるセクシャル・ハラスメントを告発する新たに11人の証言を集めた記事を配信した。AP通信は8月13日、9人の証言を集めた記事を配信、オペラ界に大きな衝撃を与えた。その第2弾。証言の多くはワシントン・オペラ、ロサンゼルス・オペラを舞台としたもの。ドミンゴは1996年から2011年までワシントン・オペラの芸術監督を務め、2001年からロサンゼルス・オペラの総監督を務めている。

今回はソプラノ歌手のアンジェラ・ターナー・ウィルソン、ロサンゼルス・オペラの元プロダクション・コーディネーターだったメリンダ・マクレインが二人が実名で証言した。11人は望まないのに触れられた、キスされた、しつこい面会要求があった、夜遅い時間の電話といった行為について証言。中でも、米国内の歌劇場で活動し、現在はテキサスのクリスチャン大学で准教授を務めているウィルソンは、1999/2000シーズンにワシントン・オペラの《ル・シッド》の公演で共演した際、ドミンゴがローブの内側に手を伸ばして胸を掴んだと具体的な被害を語っている。

APの報道に対して、ドミンゴが総監督を務めるロサンゼルス・オペラは、告発内容を「極めて深刻に受け止めている」とした上で、「調査が行われている間はさらなるコメントは控える」と発表した。また、ドミンゴの広報担当ナンシー・セルツァーは「新たな告発は矛盾に満ちており、当初の告発と同様に、多くの点で、正しくない。調査が続いている間は具体的なコメントは控えるが、APが描こうとしている誤解を招くような内容には強く異議を唱える」とコメントを出した。

写真:The National / Antonie Robertson


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ボストン発 〓 フェニックス管弦楽団の次期音楽監督にジョシュア・ワイラースタイン

  2. ニューヨーク発 〓 ウクライナ人演奏家集めた「フリーダム・オーケストラ」が欧米をツアー

  3. フォートワース発 〓 ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールが開催延期を発表

  4. プラハ発 〓 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターに26歳の女性

  5. 訃報 〓 レオン・フライシャー(92)米国のピアニスト

  6. 訃報 〓 ラドミル・エリシュカ(88)チェコの指揮者

  7. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場管が2021年の夏にヨーロッパ・ツアー

  8. レノックス発 〓 タングルウッド音楽祭が2024年のスケジュールを発表、ドゥダメルが2006年以来久々に登場

  9. 大津発 〓 びわ湖ホールが来年度の公演ラインナップを発表

  10. ロサンゼルス発 〓 大規模火災でシェーンベルクの出版社が焼失

  11. ロサンゼルス発 〓 ロサンゼルス・オペラが早くも2024/2025シーズンの公演ラインナップを発表

  12. 訃報 〓 マルチェッラ・レアーレ(84)米国のソプラノ歌手

  13. アスペン発 〓 ルネ・フレミングがアスペン音楽祭のオペラ部門の芸術監督に

  14. カンザスシティ発 〓 ヴァイオリンの岩崎潤がカンザスシティ響のコンサートマスターに

  15. ブラティスラヴァ発 〓 スロヴァキア・フィルの次期首席指揮者にダニエル・ライスキン

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。